東の海編

□Act.1 Logue townT
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Side.Nami



「うっひょー! でっけぇ街だなぁ!!」

「かつては"偉大なる航路"に向かう海賊たちで賑わった街よ」



麦わら帽子を被る少年、ルフィが期待のこもった声で叫んだ。

そんな姿にナミは笑みを零し、必要なものは何でも揃うと告げた。



「うーし! これから始まる大冒険のためにおれは装備集めに行ってくる」



と言う、長い鼻が特徴的な少年は仲間の一人であるウソップ。

我が一味の優秀な狙撃手だ。



「いい食材が手に入りそうだな。あとイイ女も♪」



だらしなく鼻の下を伸ばして煙草を加えている金髪の男、サンジ。

彼も仲間の一人で、足技を使う腕のいいコックだ。



「おれも買いてェ物がある」

「あらーどうやってぇ?」



隣に立っている四人目の仲間で腹巻をした短髪の男。

三刀流の剣士で、"海賊狩り"の異名を持つゾロ。

文無しである彼に意地悪い笑みを浮かべて言うと、誤魔化すように頬を掻いた。

その様子を面白そうに眺めているウソップとサンジの二人。



「よし! おれは処刑台を見てくる」

「おい、集合場所まだ決めてねぇぞ…」

「行っちまったな」



宣言するなり一人走り出していったルフィ。

ウソップが呼び止めるが、聞こえていないのか麦わら帽子は人混みに紛れていった。



「しょうがねぇなぁ」

「仕方ねェだろ。あいつが人の話を聞かねェのはいつものことだ」

「お前が言うか」

「あァ?」

「ま、この街から出ることはねェんだ。どこかで合流できるだろ」

「そうね」



すっかり見えなくなってしまったルフィの姿にウソップが溜息を吐いた。
だが、サンジの言うことも最もだ。

結局は四人で集合場所を決めて、特攻していった我らが船長を見つけたものが一緒に連れて行くということで話はまとまり、それぞれ自分の用事をすべく別れた。


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