東の海編

□Act.1 Logue townW
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「なんだ。ゾロの知り合いか?」

「知り合いってわけじゃねェが、おれの記憶に違いがなければ…」

「なければ、なんだ」

「そいつは一億相当の賞金首だ」

「一億?!」

「本当か?!」

「確か名は"水妖のナナシ"…だったか?」



海賊に身をやつしたと言えどもさすがは元賞金稼ぎ。

離れたといってもその情報網は健在のようだ。



「あなたの言う通り、ぼくの首には一億相当の額がかかっています」

「マジかよ…」

「ナナシ! やっぱお前スゲェ奴だったんだな!! おれが仲間に見込んだだけはある!!」

「そういうことじゃねェ!! つか、勝手に仲間を増やすな!!」

「えー何でだよ。いいじゃん、こいつ面白ェぞ。魔法使いなんだ」

「魔法使いィ?」

「おう! とにかくスゲェんだナナシは! おれは絶対にナナシを仲間にするって決めたんだ」



ぽかんと口を開けているサンジにルフィはにししっ笑う。

ナナシは仲間になるとは一度も言っていないが。

どうやら彼は人の話を一切聞かない御仁らしい。



「まぁそいつが仲間になる云々はいいとして」



ゾロが顔をしかめさせて視線を周囲に向けた。



「どうやらもうひと騒動ありそうだ」

「そのようですね」

「んぁ?」



中央広場の至るところから聞こえてくる男たちの声。

そして、大通りを始め広場に通じるすべての道から人が雪崩込んできた。

あっという間に包囲され、ナナシはそれらを見回した。

水兵服を着た男たちが被る帽子には「MARINE」という文字。

海軍だ。


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