オリジナル×FT

□sweets
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ナツ「それ美味そうだな、1つくれよ」
グレイ「しかたねーな、代わりにおまえのも寄越せ」
ナツ「おう!あー…」
グレイ「ほれっ」
ナツ「んっ、んぐんぐ…んめぇ!」
グレイ「ナツ、オレにもあーんして」
佐多「イチャつくなら他所でやれ」
霧生「それより、なんでみんなしてチョコ食べてるんですか」

いつもどおりゲーミングチェアに腰をかけている佐多の手元には封の空いたたけのこの里があり、机を囲んでいるナツとグレイの手元にはそれぞれアーモンドチョコとマカデミアチョコの箱が置いてあった

霧生「僕の作ったチョコは食べてくれなかったのに!」
佐多「あれはチョコとは呼ばない
ちゃんと言った通り処分したのか」
霧生「しましたよ、言われた通り壊すゴミの日に出しました」
グレイ「んぐんぐ…あれは燃えないゴミでもないのかよ…」
ナツ「チョコ?なんのことだ?」

あの魔のイベントの日、早々に脱落したためになにが起こったのか知らないナツ以外の2人は呆れた目で霧生をみる

霧生「それより、佐多さんが甘いものが好きってことは知っていましたが…お2人も甘いものが好きなんですね意外です」
ナツ「あー…嫌いじゃねぇけどオレは辛いもののほうか好きだな
けど、たまーに甘いもん食いたくなるんだよ」
グレイ「それわかる、オレも甘ったるいもんは好きじゃねぇけどたまに食いたくなるんだよな」
霧生「へぇ…ん?あっそうだこんな話聞いたことありますよ」
佐多「どうせろくでもない話だろ」

興味無さそうにひとつチョコを口に入れる佐多にそんなことないですよと、霧生は頬を少しだけ膨らませる

グレイ「それより、どんな話なんだ?」
霧生「えっと…甘いものが好きな人とか、甘いものが突然欲しくなる時は愛情が不足しててそれを補うために甘いものを食べるって話を聞いたことありますよ」
ナツ「ん?つまり?」
グレイ「ナツ…おまえ毎日あんなに愛してやってるし今もおまえのこと愛してるのに足りないってのか?」
ナツ「ヒッ!!?えっ…いやそれおまえにも言えることじゃねーの!!?」
グレイ「じゃあ、足りない愛情を埋めるため…いや、チョコなんかじゃ代わりにならないぐらいあっま甘な愛情をくれてやる!!」
ナツ「ぎぃやあぁぁぁぁ!!近寄んなこのクソ変態!!」
霧生「あぁ!!部屋で暴れないでくださいよ!!」

飛びかかるグレイと抵抗するナツを止めようとする霧生

本来なら静止の声もしくは部屋を追い出す行動に出るこの部屋の主は椅子に座ったまま摘んだ1つのチョコを眺めていた

いつもなら、くだらないの一言で流している霧生の話がやけに頭に残る

佐多「愛情の不足?オレが…誰かに愛されたいと思ってるっていうのか…」

長く持ちすぎたせいでチョコの部分が溶け始め、指先に感じていたチョコの感触がドロッとしたものに変わる

そんなことありえない
そう否定するように溶けかけたチョコを口に入れ、噛み砕く
愛されたいなどと思っている自分の心さえも噛み砕くように


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