おまけ小説

□闇に咲く桜
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ギルド《妖精の尻尾》









グレイ「ナーツ!!」

ナツ「どわっ!?」


ハッピーと何かを相談していたナツをグレイは後ろから抱き締めた


ナツ「グレイか…なんかようか?」

グレイ「なんかようって…恋人に対して冷たくないか?」

ナツ「うるせー!! とっとと用件を言いやがれ!!」


恋人という言葉に顔を赤くして怒鳴るナツ


そんなナツが愛しく抱き締めていた片手を離しその頭を撫でる


グレイ「用ってほどのもんじゃねーけどさ、ナツに聞きたいことがあってな」

ナツ「なんだよ」

グレイ「ナツって親の顔知らねーのか?」

ナツ「はぁ? なに言ってんだ
オレの親はイグニールだって言ってんだろ」

グレイ「それは育ての親だろ?
オレがきいてんのは生みの親だ」


心底バカにしたような表情だったナツの顔がみるみる暗くなっていく


ナツ「オレはイグニールの子だ、竜の子なんだ…」


そう呟きながらマフラーをギュッと握りしめる


ナツにとってイグニールの子であることは何者にも汚されたくない誇りなのである


自分を生んだ親……つまり本物の親を知ってしまえば、それは 自分が竜の子ではないという証拠になってしまう



ナツ「オレは…オレは……」


ナツの心が不安定であることを具現化したように火の粉がハラハラと舞い散る


グレイ「わっ悪かったナツ!! ただ気になっただけで!!」


それに気づいたグレイは慌てて謝る


グレイ「あともう少しでS級試験が始まるんだぞ!! そんなんでいいのかよ?」


雰囲気を変えるために話を変えると、簡単にナツものってきた


ナツ「おまえには負けないから安心しろ!!
オレは絶対S級になるんだ!!」

グレイ「愛しいナツが相手だろうと、オレは手加減しないからな」






受験者が発表され、ギルドの聖地《天狼島》に移動する数日前
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