その他長編集
□護語
1ページ/11ページ
手入れをされていない森の道無き道を進み、荒れた岩肌を歩き続けた先にあるのは、まるで月ができたのかと思うほど大きな穴
覗きこんでみると、はるか下にグツグツと煮えたぎっているマグマが輝いていた
「まったく…なんでオレはこんな依頼引き受けちまったんだ」
過去の自分を恨むように呟いているのは、黒髪に少し垂れた目が特徴的な男
鍛えられたたくましい身体は服の中…ではなく、外気に晒されていた
つまり半裸…他から見れば露出魔である
首にかけられた剣型のシルバーネックレスの下、たくましい右胸には紋章
「氷の魔導士にこんな場所での依頼すんなよな」
フィオーレ王国最強の魔導士ギルド゛妖精の尻尾゛氷の造形魔導士グレイ・フルバスターは依頼を受けて、火山に来ていた