リク小説 書く
□消えぬ温もり
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「パパー、肩車してー!!」
「しかたないなー」
あてもなく街中をふらついていると楽しそうに笑う夫婦とその子供がオレの横を通りすぎた
意識してないのについ目で追ってしまう
ナツ「………クソッ」
グレイのせいだ、こんなことになったのは
グレイのせいで気づいてしまった
ナツ「………オレには無いんだ」
生みの親との思い出が
グレイも語ろうとはしないが、自分を生み、愛してくれた両親がいる
もちろんエルザもみんなもいた
けどオレにはいない
人から生まれているはずなのに知らないんだ
ナツ「……なんでオレ…捨てられたのかな」
答が返ってこない問いが風にのって流されていく
髪を靡かし頬を撫でる風は、少し暖かい
ナツ(……イグニール)
小さな自分を拾い、育ててくれた 熱く 赤い炎の竜を思い出す
ナツ(イグニール…なんでオレを置いていったんだよ)
いつの間にか日は沈み、辺りは闇に包まれ、身を包む風は冷たくなっていた
ナツ(オレは、父ちゃんが大好きなのに!!)