リク小説 書く

□大事なのは…
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―ナツside―


「んっ……」


目を覚ますと、オレはどこかに寝かされていた


ナツ「ここは…」


辺りを見渡すと見覚えのあるものばかり
つまり自分の家だった


ナツ「あれ? なんでオレが家に…
たしか仕事に行こうと…」

「やっと目を覚ましたかよ馬鹿ナツ」

ナツ「グレイ? なんでおまえが」


混乱している頭を整理していると、出入口からグレイが入ってきた


グレイ「なんで?
道端で気を失ってたどっかの馬鹿を家までわざわざ運んだんだよ」

ナツ「倒れてたって…オレが?」

グレイ「さっきウェンディが診てくれた
過労だってよ」


思い出した
依頼の町に向かってる最中に、急に視界が暗くなり意識を失った


ナツ「過労…」

グレイ「2・3日大人しく寝ていれば良くなるってよ」

ナツ「2・3日も大人しくしてられるか」


布団から出ようとするとグレイは驚いた顔をした


グレイ「おいナツ!!」

ナツ「オレは大丈夫だ、だから仕事に――」

グレイ「いい加減にしろ!!!」

ナツ「――っ!!」


グレイの怒鳴り声にオレはビビってしまった


ナツ「グレ――」

グレイ「おまえがなんでそんなに無理すんのか大体予想ついてる!!
たぶんイグニール絡みだろ!!」

ナツ「なんでわかって…」

グレイ「おまえはガキの頃からそうだ!!
イグニール、イグニールって…
探しては心に傷を負って独り泣いてたくせに!!」

ナツ「!!!」


グレイの言葉は的確にオレの心に突いてくる


グレイ「どうせ今回のことも、頑張ればきっとイグニールが会いに来てくれるはず
っていう考えからだろ!!」

ナツ「――っ」


だからなんでわかるんだよ


グレイ「なんでわかるかって?
んなもん決まってんだろ!!
今までずっとナツを見てきたからだ!!」

ナツ「!!!」

グレイ「なぁ、ナツ
おまえはイグニールに会ってなにがしたいんだ
自分の元気な姿を見せたいんじゃないのか?
今の自分の姿はどうだよ
そんな弱った姿をイグニールに見せたいのか?」

ナツ「い…嫌だ……
こんな姿見られたくない…」

グレイ「だろ?
だから、もっと自分を大切にしろよ」


優しく微笑みながらグレイはオレを抱き締める

その優しさの温かさについ涙が溢れる


ナツ「うっぐ…イ…グニール
ヒック…イグニール…ウクッ
会いたい…会いたいよ……」

グレイ「会えるさ、きっと」


腕に力を入れたグレイに答えるように、オレも強く抱き締める


グレイが会えると言ってくれると、本当に会える気がするから不思議だ
グレイの声が、熱がオレを安心させる


そうしてオレは、泣きつかれて眠るまでグレイの腕の中にいた









→あとがき
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