リク小説 書く

□紅蓮の雷
1ページ/3ページ


ナツ「ラクサース!!オレと勝負しろ!!!」

綺麗な桜色の髪を靡かせながら叫び、走ってくるナツ

あぁ…今日もうるせえ奴が来やがった

ギルドに設置されている椅子に腰かけ、怠そうに壁に背中を預けていたラクサスは横目でそれを捕らえると大きな溜め息を吐いた

ナツ「なっ、ラクサスてめぇ!!今溜め息吐いたろ!!」

ただでさえつり上がっている目をさらにつり上げて、噛みつかんばかりに睨んでくる

ラクサス「ったりめーだろ
ナツ、今週で何回目だ?」
ナツ「えーっと…5回目だ!!」

問うと、指を折り曲げて数え、満面の笑みで答えるナツだが…
今週が始まって、まだ3日目
だが、1日に2・3度来ることもあり、これを受けたら5回目になる

ラクサス「オレは暇じゃねーんだ
てめぇの遊びなんかに付き合ってられるか」
ナツ「遊びじゃねぇ!!勝負だ!!」
ラクサス「ほぉ…
遊びじゃねぇんだったら、オレに1回でも攻撃を当てたことがあるのか?」
ナツ「今日は当てる!!だから勝負しろ!!」

挑発気味に言ってやると、ナツはオレを睨む

そうだ…その目だ

口角を少し上げ笑うと、ナツは火を纏った拳をつきだしてきた

ナツ「余裕そうに笑いやがって!!」
ラクサス「余裕だからしかたねーだろ」

それを、少し体をずらすだけでかわす

ラクサス「それよりも、なんださっきのは?蝿が止まりそうなくらいおせえな」
ナツ「ぶっとばす!!」

怒ったナツが連続して拳をつきだしてくる

そうだ…オレだけをみろナツ

今、ナツの瞳に写っているのは自分だけ…
ずっとこのまま、自分だけを見ていてほしい…

けれど、そんなことは、こうして勝負している時だけだとわかっている

ナツ「火竜の鉄拳!!」
ラクサス「おせぇ…」

つきだされた拳を片手で受け止める

ナツ「しまった!!」

振りほどこうとするが遅い
オレは腕を伝い、雷電を食らわせた

ナツ「ぐわあぁぁぁぁぁ!!」

手を離してやると、プスプスと音をたてながら倒れるナツ

ラクサス「だから言ったろうが
おまえには、オレに触れねぇって」
ナツ「くっ…そぉ…」

歯軋りをしながらオレを睨む

睨まれているというのに…興奮しているオレはきっとおかしい
今、ナツのその瞳はオレを写し、その心はオレへの屈辱感でいっぱいだ
オレという存在がナツの中に入っていくような感覚
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ