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□罰ゲーム
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ナツ「……っ」
「さーて、賭けに負けたんだから約束は守ってもらうぜ、ナツ?」

まさかこのオレが負けるなんて…
面白半分で受けた勝負、負けるわけがないと自信満々で受けたわけだが結果は負け
負けるわけが無いと思い、承諾した罰ゲームの事を考えると冷や汗が頬を伝う

「まさか、今更無かったことにしようとは言わねーよな?」
ナツ「うっ…」

こういう時に回らない頭で何とか逃れようと考えていることがバレバレでもう既に逃げ場など無かった

ナツ「うっ…くっそぉ…」

という訳で、無謀に挑んだ賭けの罰ゲームとして只今全裸でマグノリアを1周走ってる最中のナツ
パンツ?全裸なのだから履いてるわけがない
警備兵など呼ばれたら言い訳無用で捕まる状態だ

ナツ「くっそ!まるでどっかの変態氷みたいじゃねぇかオレ!」

と、文句を言いつつ炎をブーストとして使い最高速度で走っているナツ
こんな罰ゲームすぐに終わらせてやる!

と、人混みを避けるために路地裏に入った途端

ナツ「っがぁ!?」

肌に糸のような物が触れたと思った瞬間、全身に電流が走った
先程まで素早く動いていた脚が強制的に停止させられ、勢いのままナツは受け身も取れず倒れ込む

「ホントだホントだー、噂のサラマンダーが全裸で街を走ってるぞー」
「虫を捕まえるために張っておいた罠だったが、まさかかの有名なサラマンダーがかかるとわなー
しかも、変態サラマンダーが」
「変態さんにはお仕置きしないとなー」

誰だ…こいつら…

わざとらしい口振りからして偶然じゃない
仕組まれてた?いつから?あの人混みも誘導するための罠?
いや…もしかしたら……

現状を把握しようと回り出す頭
だが、意識は正反対にそこで途切れてしまった

























緩やかに浮上する意識
段々意識がハッキリすると同時に、柔らかい何かが身体に触れる感覚がした

ナツ「んっ…くすぐってぇ…」
「起きた起きた?ようやく起きた?」

石でできた牢獄のような場所、奥は暗闇に閉ざされ広さは分からない、目の前には意識を手放す前に見た3人組がいやらしい目でニヤニヤと笑っていた

ナツ「何しやがんだてめぇら……っ!?」

1発殴ってやろうとしたが腕が…いや、全身が鎖で縛られた上に磔にされ動けない

ナツ「ふんっぐうぅぅぅぅぅ!!」

こんなもんぶっ壊してやると全身に力を入れるが入れただけ抜けていく感覚がする
気づけば炎も灯せない

ナツ「もしかしてこの鎖!」
「そう、それは魔力を吸い取り空気中に放出する魔導士用の鎖だ」
「使わない使わないサラマンダーに普通の鎖なんて使わなーい」
「普通の鎖なんて溶かされて終わりだもんな」

だからこんなに余裕があるのか

ナツ「テメェら、オレに何するつもりだ」
「あ?まだ気づいてねーのか?」
「してるしてるもうしてるー」
「自分の身体見てみろよ」

なにがなんだかわからないまま言われた通り自分の身体を見る

ナツ「んなっ!?」

格好は気絶する前と同じ全裸
だが、晒された身体には至る所に落書きがされていた

「やぁ、お邪魔するぜ」
ナツ「あっ!おまえは!」

暗闇の奥から現れた男はナツが賭けに負け、罰ゲームを提案した男

ナツ「てめぇ!こんなん聞いてねーぞ!」
「そりゃそうさ、これは罰ゲームじゃない
罰ゲームの最中に起きた不幸な偶然だ」
ナツ「てめっ…」

当然のように飄々と言ってのける男をナツは睨みつける

「それより、ナツは東洋の『耳なし芳一』というのを知っているか?」
ナツ「は?んだよそれ」
「オレもうろ覚えだけどさ、バケモンに狙われた坊さんが身を守るために全身に呪文書くんだけど、片耳書き忘れてその耳だけ持ってかれるらしいんだよな」
ナツ「それがなんなんだよ」

言っている意味も、それをいきなり話し始めた訳も分からないが何だか嫌な予感がする
直感が逃げろと騒ぎ立てる

「だからさ、平気で全裸で街を走っちまう変態なナツは、全身に色々書けばマトモになれるんじゃね?」
ナツ「いや、書いても何もならねーしそれさっきの話と全然関係ないし何より走らせたのおまえだし!」
「書こう書こうもっと書こう!」

そう言って3人組の一人がナツに向けたのは黒いインクのようなものがついた筆

ナツ「ひっ!?や、やめろ!オレに触るな!」
「嫌なら逃げればいいじゃねーか」
「まぁ、縛られてるから無理だけどな」

3人組と男…4本の筆がナツの身体を好き勝手に滑る

ナツ「ひっあひゃはははっ!や、やめっ…くすぐって…ははははは!」
「ほれほれほれ」

健康的な肌色がどんどん黒く染まっていく
ナツの笑いの声が段々と引き攣り始めた頃、筆の一つがある1点を掠める

ナツ「ひっひっ…ひぅっ!?」
「あ?なんだ今の声」
「ここ?ここ?ここだった?」
ナツ「あっや、やめっ…ひやぁっ!」

筆が意図的にそこ…胸の飾りを擽る
どこぞの変態に開発されたそこは刺激を与えれば声を抑えられないほどの立派な性感帯となっていた

「立ってる立ってるぴんっと立ってる!」
ナツ「い、いうな…ひやっ!」
「おーホントだ、こっちもしっかり立ってるぜ」
「こりゃ冗談じゃなくて本当に変態だったんだな」

4本の筆に二つの飾りを攻められ、滴が体を伝って落ちて行く
その感覚でさえ今のナツには充分すぎる刺激だった

む、むり…こんなに胸を触られたらアソコも…

「おいおい、ここもしっかりとおっ立ててるじゃねーか」
ナツ「ひやぁっ!」
「おーおー、胸弄られて立たせるなんて…コイツ、もしかしなくても開発済みか?」
「ぬーりぬーりぬーり塗り!」
ナツ「あっ、やめっ!んあぁぁぁぁ!」

胸を弄られた刺激で既に限界だったナツ自身
そこを直に筆でなぞられては我慢などできるはずもなく呆気なく達してしまった

「でたでたびゅーって出た!」
「へぇ…こりゃ興味湧くな」
「このまま頂いちまうか」
ナツ「……けんな…」
「あ?」

ボソリとナツが微かに何か呟き、それに男が反応するのと同時に鎖にピキッと亀裂か入る

ナツ「ふざけんじゃねぇ!」
「ぐはっ!」
「ぶへっ!」
「ぶほっ!」
「がふっ!」

ナツの怒りによって増幅した魔力に耐えられなくなった鎖が砕け散り、開放されたナツは一瞬にして男達を殴り飛ばし撃沈させた

ナツ「っはぁ…はぁ…はぁ…」

ほとんどの魔力と体力を消耗したナツは立っていられずその場にヘタリ込み苦しげに肩で息をしていた

やばい…目…開けてらんねぇ…

消耗は思ったよりも激しいらしく意識を保っていられない
引っ張られるままに意識を手放そうとした瞬間

グレイ「ナツ!」

身体が心地いい体温に包まれる
重い瞼を少し開けてみると心配そうに眉を寄せているグレイの顔が見えた

ナツ「ぐ…れい…」
グレイ「遅くなってわりぃ
最初はナツが罰ゲーム受けてるって話しか聞いてなくて…
こんな企みがあるなんて気づいてたらナツはこんな目に合わなくて済んだのに」

グレイが泣きそうな顔してる…
いつもなら、大丈夫って言って笑うのに…グレイの顔みたら…安心して…

ナツは何か言いたげに微かに唇を動かすが、それは音にならずそのままナツは意識を手放した

グレイ「……安心しろ、こいつらへの罰はオレが下す」

次の日、街の中央には4人の男が氷の十字架に磔にされたとのこと

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