泡沫夢幻

□第七訓
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あれから数日、用事があったので家に帰ってから近藤さんの道場へ行くとまた近藤さんがいなかった
土方さんもいなくなっていた


「じっちゃん!近藤さん知りやせんか?」


「知らん」


そういってどこかへ行ってしまった


「たぶん神社だろうな。まぁあの二人なら大丈夫でしょ」


一様救急箱を用意した後一人で練習を始めた


とりあえず素振りなどをしたりしたが一向に帰ってくる気配がしない


「(探しに行くか)じっちゃん!ちょっと出かけてきやす」


「気をつけろよ」


「わかってまさァ」


私は道場から出ると神社へ向かった














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神社に向かっていると道の端の茂みの中にいきなり引っ張られた


「うわっ」


目には空といつかのストーカーの男が映った

どうやらこいつ引っ張られて押し倒されたようだ


「へへへ、総悟君はいつ見てもかわいいね」


服の上から体を撫でまわされる


「やめろっ」


ジタバタ暴れるが所詮大人と子供、相手は手を止めるどころか服に手をかけてきた


トラウマになる。これ絶対トラウマになるわ。
だってこんな経験したことないし

故意になったことはあるけどな!

頭の隅でそう思いながら必死に抵抗する


「だ…誰か!誰か助けて!」


助けを求めた瞬間上に乗っていた男はいなくなり、横に吹っ飛ばされていた


「大丈夫か!?」


その声は土方さんの声だった


―土方side―


神社を出て歩いているとどこからか聞いたことのある声が聞こえた
なんとなくその声が聞こえた方へ行くと沖田が知らない男に押し倒されていた


「だ…誰か!誰か助けて!」


俺は気が付いていたら男を吹っ飛ばしていた


「大丈夫か!?」


沖田に駆け寄る。沖田は安心したのか強張っていた体から力が抜けたがその体はまだ震えていた


「だ…だいじょうぶ」


そういいながら俺の着物をぎゅっと握り体を寄せてきた
俺は相当怖かったんだなと思い、乱れた服を直してやる。その時にふと気が付いた


「お前女か?」


そういうと沖田はビクッとなった後恐る恐るという感じに俺の顔を見上げてきた


「な…なんで?」


困惑した顔で聞いてくる


「なんとなく」


―土方side終―


なんとなくって何!?もうさっきからいろんなことが起こりすぎて頭パーンってなりそうだよ
まぁ別に土方さんにばれてもいいか


「はぁ…そうですよ。私は女です」


「口調が変わったな」


「ああ、あの口調は男装してる時だけなので。今は女だとわかりやすくするためにこの口調ですが」


「そうか」


その後私を襲った男は奉行に突き出した


近藤さんには女だとばれ、男に襲われたこともばれた。そのまま芋づる式に姉上にばれ、泣きながらよかったと抱き着かれた

これからは送り迎えは近藤さんか土方さんがすることになった。出かける時もなるべく一人で出歩かないで誰かと一緒に行動することになった

ちなみにまだ姉上と土方さんは会っていない



→あとがき


2015/6/5 《修正》
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