泡沫夢幻

□第十三訓
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「副長オオオオ!!」


屯所中に野太い声が響き渡る


「局長が女にフラれたうえ女を賭けた決闘で汚い手使われ負けたってホントかァァ!!」


皆が土方さんに詰め寄る


「女にフラれるのはいつものことだが喧嘩で負けたって信じらんねーよ!!」


「銀髪の侍ってのは何者なんだよ!!」


お茶を飲みながらそのやり取りを見る


「会議中にやかましーんだよ。あの近藤さんが負けるわけねーだろが。誰だくだらねェ噂たれ流してんのは」


「沖田隊長がスピーカーでふれ回ってたぜ!!」


自分に話をふられたので正直に話す


「俺は土方さんにききやした」


ニタァという効果音が付きそうな笑顔とともに


「コイツにしゃべった俺がバカだった・・・」


「なんだよ、結局アンタが火種じゃねェか!!」


「偉そうな顔してふざけんじゃないわよ!!」


「って事は何?マジなのあの噂!?」


隊士からの質問攻めに土方さんは額に青筋を浮かべると


「うるせェェェぁぁ!!」


机を蹴り飛ばした


あっぶね。あとちょっと避けんの遅かったら直撃だよ


「会議中に私語した奴ァ切腹だ。俺が介錯してやる。山崎・・・お前からだ」


「え゛え゛え゛!?俺・・・何もしゃべってな・・・」


「しゃべってんだろーが現在進行形で」


土方さんが山崎に刀を向けた時、襖が開いた


「ウィース。おお、いつになく白熱した会議だな」


頬を腫らした近藤さんが入ってきた


「よ〜〜し。じゃあ、みんな。今日も元気に市中見廻りにいこうか」


その姿を見た土方さんはため息をついた
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