JOJO短編
□見えないモノこそ
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DIOさんは勉強します。
夢主は愛の大先生☆
人間というのは実に愚かしいと思う。
善悪の判断など個人によるにも関わらず、そうゆうものは多数意見に飲み込まれて結局おかしな結論がついてしまう。正義を掲げる奴ほどそれが全ての人間に正義と思われているか、それとも正義に近いのか、首を傾げてしまうような事をしているものだ。
憎み、争い、羨み、貶す......これは誰にでもある事なのだ。だが人間はそれさえも隠そうと必死になる。自分を押さえつけ他人を伺っている。そのうちに自分を忘れる。こんなのは死んでるのと変わらない。
所詮、意志を主張出来なければ雑踏に埋れて存在など掻き消えていく......そんなものだ。
一方で「愛」を語る者もいる。これがまた面白く都合のいい解釈で溢れている。
愛されたいだの愛しているだの囁き合うことに気持ちが高揚を覚えるそうだ。又、愛の名の下に誓い、殺しあったりもするらしい。価値観が違い過ぎているというのも面白い。愛する者を壊れ物のように扱うか、ボロ布になるまで使役するか、単純に悦楽のために壊すか。
こうなると愛される方はたまったものではないな。
とも言う様な事を吸血鬼である私は暇つぶし程度に考えていたが......ここでまた暇つぶしを思いついた。
「ティアラ」
「ん、なぁに?」
「......愛している」
「!?」
む、ティアラは固まってしまった......こんな反応もあるのか。
「どうした顔が赤いぞ?」
「......DIO、本気じゃないよね?」
「......。」
ほほう、見抜いてきたか。やはり本当に愛する時の気迫というものはこんな口先だけでは叶わないものらしい。
「......だったらどうする」
「......ちょっと残念、かな」
「残念?」
「うん」
「何がだ」
「その......一瞬でも本気にしちゃったって事。馬鹿じゃん私......みたいな?」
ティアラの言葉は少しずつ小さくなって最後は俯いてしまった。黒髪の間から覗く耳がほんのり赤くなっているのが見える。
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