JOJO短編

□マフラー
1ページ/4ページ

☆ジョセフさんが素敵すぎて......っ
☆季節は大幅に冬。いや秋?とにかく寒いのです!
☆いつかどこかできいた話を思い出してのお話です(もしかしたら知ってる人も。もしかしたら作り話かも。)

そんな曖昧なお話で良ければ。ほのぼのと。










「ねえねえどれがいいかな?」

ひゅう、と冷たい風が吹き始めようとしている時期。
俺は数少ない女友達であるティアラと一緒にいろんな店に売られている手袋をみてまわっていた。
まあ俺は暇だったからついているだけなのだが......コイツは「一緒に見て欲しい」と言って聞かないのだった。


(こりゃ困った。というか"こうゆう買い物"は俺なんかよりシーザーと一緒の方がいいと思うんだけどなぁ)


「可愛い〜...ハッ!駄目ダメ、こんなの絶対似合わないよ...」


(お前には似合うと思うけどな)


彼女は手に持ったモコモコとした羊がデザインされた手袋を商品棚に戻しながらブンブンと頭を振った。
反応からして自分の手袋を買うつもりではないようだ。

「へぇ〜プレゼント?さてはティアラちゃん、好きな子でもいるんですかぁ〜?」
「!?、うるさいわね!そんなの私の好きじゃない!」

ちょっとおちょくっただけで明らかに顔を真っ赤にして反論する彼女。少しは動揺隠せよ。

「......プレゼントなのは教えてもいいけど」
「ほぅほぅ、だからさっきから熱心に選んでいたと!でも明らかに......友達に送るとしては意気込み過ぎていやぁしませんかねー?」
「!!」


(おー図星。本当に分かりやすいな)


ジョセフはあたふたするティアラを見てケラケラと笑った。

「か、かか関係ないでしょうがッ」
「ははーん、分かったぜ。渡す相手は"男"だからその参考に、とでも考えているんだろ」
「な......!」
「お前の次のセリフは"どうして相手が男性だと分かった?"という」
「どうして相手が男性だと分かったの?......ハッ!」
「やぁ〜っぱり男へのプレゼントかよ」
「!......騙したの?」
「まさか。でも俺を買い物に付き合わせる辺り、そんな魂胆ではないかなぁと......」

何の気なしに言うとティアラは俯いて小さく息を吐いた。

「その通りよ。さすがね」
「健気だねぇティアラちゃん!もしかしてお相手はシーザーの奴だったりして!?」
「ブー。ハズレでーす☆」

イタズラに舌を出して揶揄う彼女に内心ホッとしている自分がいた。


(何思ってんだ俺......)


素直に友達の恋路を喜んでなどいない自分に気づいて自嘲した笑いが溢れた。

「何笑ってんのよ」
「いいえ別に。ところでそれって勿論、恋人......候補だよな?」
「......うん」


(なんだ、急にしおらしくなっちゃって。こんな可愛い所もあるのか......おっといけない。何かとんでもない事思っちまう所だったぞ)


これがまた熱心にコレでもないアレでもない、と手袋を選んでいるティアラを見るといかに"本気"かが分かってしまう。

「あー、うー......コホン、あーあー」
「どうしたの?」
「あー......や、やっぱさ手袋だと手を繋いだ時に相手の手の感じとか分かりにくいかもな〜、なんつって」


(......何言ってんだ俺)



.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ