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□ビタミン剤
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※大人設定





最近、涼は何かの薬を朝、昼、晩に飲んでいる。

しかも隠れて。


少し気になって、その薬が入っていたビンを見れば“ビタミン剤”と書いてあった。

そういえば、最近残業ばっかでよう寝てへんかったような・・・。

飯もインスタントばっかやし・・・。


何で俺に何も言わんのやろ・・・。

どーせ涼のことや、

“心配掛けたくない”とかそんなんやろ。



・・・あの謙虚娘め。

逆に心配さしてどないすんねん。


・・・早ぉ帰ってきぃや・・・。







***




「ただいまー蔵」

「おかえり」

「ん?ご飯作ってくれたの?」

「おん、食べや」

「うん!」



「・・・なんか、カラフルだね
 そして野菜多いね」

「おん、ビタミン豊富やさかい、しっかり食べや」

「・・・!」

「何も隠さんでええやん」

「だって、迷惑掛けたくなかった・・・」

「そんなこと、迷惑やと思わへん
 むしろ、余計心配したっちゅーねん」

「ごめんなさい・・・」

「謝らんでええ
 俺も気付けへんかったからな・・・」

「そんな・・・」


「辛気臭くなってもーたな
 食べよ、食べよ!」

「うん、ありがと」

「どーいたしまして」



「涼」

「ん?」

「これからは俺がビタミン剤やで

 疲れたときは俺を頼って」


「・・・うんっ」




俺は君専用のビタミン剤



end.


 

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