_ 君 を 欺 く 話 _
□_ 赤色
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「やあ、キド、同じクラスだね?」
少しずつ暖かくなった
三月上旬。
「ああ、そうだな、カノ」
通常ではあるはずがない会話が
繰り広げられていた。
「俺も居るっすよ、カノ」
「分かってるって、セト」
周りの人達も例外ではなかった。
「一緒で良かったー!」
「え、嘘、一緒? いやったぁぁっ!」
「また一緒だねー」
「お前また一緒かよー」
飛び交う言葉。
今日はクラス替えだった。
この時期にクラス替えなんて
学校側も馬鹿だなあ、
と、理由が無ければ言っただろう。
今回は訳が違う。
クラス替えの理由は
至ってシンプル。
《赤いマフラーの女の子が...
屋上から飛び降りたんだって》