□称賛の指先
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*クリスマス企画とかいいつつ時期遅れになったしりーず第2弾!
口づけはする場所によって意味があると聞いて。
ちなみに指先→称賛 です










なまえはすごく働く。
仕事ではいつもパソコンのキーボードに指を滑らせているし、バーの手伝いでは軽食を作ったり、汚れ物を洗ったり。あの草薙さんが褒めるくらい、なまえはよく働く。


一方、彼女はそれを、偉いとか頑張ってるとか、ちっともそんな風に思っていない。
故に、ひけらかさない。謙虚を通り越して卑屈だと思えてしまうほどに。

俺は褒めてあげたいんだけどなぁ。そうだ、クリスマス。もうすぐクリスマスだ。いつもはバーでドンチャン騒いで終わるけれど、いつも頑張ってるなまえに、何かプレゼントをしてあげたい。


そんな思考から俺は、鎮目町の大型ショッピングセンターにやって来た。何を買えばいいのかとか正直決まってない。……まぁ何とかなるよね!(草薙さんに意見聞くのがいいとも思ったけど、それだと俺が選んだものじゃなくなるから断念!)


いつもなまえ、身なりちゃんと整えてるし、そういう…洋服とかでもいいかな。ピアスも開けてたし、髪も結える長さだから髪飾りもいいかも。
そんなことを考えながら、色んなショップやブースをぐるぐる回った。







「なまえ、なまえ、ちょっと手、出して」


俺の言葉になまえは訝しげに首をかしげたあと、素直に手を差し出してくれた。
……うん、よかった。記憶通り、ネイルなんかはしてないみたい。


「どうしたの、十束さん。なにする気?」

「へーきへーき、変なことはしないから!」

「……マニキュア?」


俺が取り出したのは、小さなマニキュアの小瓶。ラメの入ったベビーピンクのそれをなまえの了承を得て、整った爪にのせていく。派手じゃないし地味すぎもしない。我ながらいいチョイス!


「乾くまで爪、触らないでね」

「うん…マニキュア、久しぶり」


何だか、女の子になった気分。
頬を紅潮させたなまえはそう言って、自身の色づいた指先を光に翳した。マニキュアの塗られたそれを見つめるなまえの瞳まで、小さな星屑が散らばったようにキラキラして見える。

なまえはやっぱり自分を褒めない。


「なまえ、いつもすごいよね」

「え?」

「毎日まいにち、仕事して、バーの手伝いして。いつも偉いなぁって思ってるんだよ」

「そんなこと……」

「ないってなまえは言うけど、俺たちからしたら、じゅーぶんっすごいことなんだよ!」


ね、と同意を求めながら、彼女の手にマニキュアの瓶を握らせた。
狼狽を隠しきれていないなまえは目を白黒させている。


「だからコレは、多々良サンタからのクリスマスプレゼントね!」


きっとなまえは首を横に振る。自分はクリスマスプレゼントなんて用意できてないって。でも俺、自分に優しくないなまえをとことん甘やかすんて決めてるんだ。





称賛の指先



2014.01.03
 

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