妖精の尻尾〜短編〜

□ある日の出来事
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カナとグレイ


「で?なんで俺がお使いなんだよ!」

頬を膨らましながら、ずかずかの街の真ん中を歩く少年が・・・グレイが吐いた

「文句言わないの!私も手伝ってあげるから!」

ふてくされながら街を歩く少年の後ろから少女・・・カナが声をかけた



「何買うんだっけ?」

「かごの中に入ってるでしょ!」

「へいへい」


そうして二人は街を歩いた












「もう・・・グレイったら!こんなところで服なくさないでよ!」

「仕方ないだろ!無意識なんだから・・・」

二人そろって頬を膨らませてグレイが脱いだであろう服を探した

「あった!!」
グレイの顔がぱあと明るくなった
路地に入った薄暗い所に服があった

(そうだ・・・裏道でここ通ったときか・・・)



「グレイ!!あったの服?なら早くギルド戻ろうよ!!」

「まって・・・血の匂いがする」

「血?なんで・・・ってちょっと!!グレイ待ってよ」

グレイはかすかな血の匂いを嗅いで・・・裏道の更に奥へと足を運んだ


「居た!!」

息を切らして追いついたカナにグレイは叫んだ


そこにいたのは野良犬だった

ぐったりとした母犬とその周りを放浪する小さな子犬

母犬は腹から血を流し息をもうしていなかった

「お母さん犬・・・死んでるの?」

「うん・・・でもこっちの子犬は死んでないよ!弱ってるけど・・・。」

グレイは母犬の周りを歩く犬を抱っこした

グレイの頬をペロリと舐めた子犬にグレイは見せたことのないような優しい微笑みをだした

それにカナは一瞬驚きそして、微笑んだ


「その子犬どうするの?」

カナがグレイに話しかけると、少し寂しい顔を作ってから立ち上がる

「まずは、ギルドに言って・・・じいさんに相談する。それで・・・里親探さないと・・・。」


「そうだね・・・」


「それから・・・この母犬のお墓作らないと」

グレイはそのまま子犬をカナに預け、近くに落ちていた服を母犬にかぶせ持ち上げた


「帰るぞ!カナ!!」

「うん」



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あとがき


オチなし(笑)

お使いの話を書きたかったけど・・・なぜか子犬の話に(笑)

最近更新遅くてすいません(´・ω・`)

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