haco
□悔しさと焦り
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その頃、彩と有里はクレープを食べていた。
「おいしー♪」
「うん、おいしい!」
「試合、どーなっただろ…?? ……ん? あっ!メールだ!!」
チカチカと彩の携帯が光っていた。
メールの相手は伊月。
試合が始まる前くらいに彩がメールを送っていたようだ。
「あ、試合勝ったってさ!! 100対98!!」
そういって彩は有里に携帯の画面を突き出した。
「おー!! 勝ったんだ!! さっすがだね!!」
彩は、携帯を見ながら若干ニヤけていた。
「ニヤけてるんですけどーっ!!」
「っ!! に、ニヤけてないってっ!!」
有里に指摘され、顔を真っ赤にする。
「あ、何か続きあるっ!!」
彩は、メールの続きを黙読していった。
そして驚いた表情になって…
「有里さんっ!!」
と、結構大きな声を出し、ガタっと椅子から立ち上がった。
「わっ!なに?!」
有里は急に大きな声を出されビクッとなる。
「美弦と小金井先輩、付き合い始めたって!!」
いつもより興奮気味だ。
「へぇ〜!? 美弦と小金井先輩かぁ…。結構、意外なコンビだな…」
有里は、いたって冷静だった。
彩は携帯を眺めながらいいなぁ〜、なんて呟いていた。
「さぁっ!! そろそろ帰る? クレープも食べたし!!」
「うん、そーだねっ!! 明日、美弦に詳しく聞かなきゃ!」
2人はカバンを肩にかけてその場を後にした。