いち

□あなたが特別
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「ニエリヒョン、俺たち明日、どこで会いますか。」

「あー、どこがいい?」

ヒョンに会えれば、いい。

「ヒョンは?」

「どこでもいいよ」

決まらないから。

「一緒に出る?」

「それでいいの?」

俺は困らない。

「いい。そうしよう、ヒョン」

「ん。」

一緒に住んでて、一緒の仕事で、それで、どこで会う?なんておかしいけど。
メンバーの目のないところで。ニエリヒョンと俺の2人で。
そんな約束を、ときどきする。

ただ仲が良いのとは少し違う、俺たちの関係。





「まだー?」

「待って、」

「おいージョンヒョナー」

だって、ヒョンと出掛けるのに。おしゃれしなきゃいけないのに。
あぁ、でも、少しでもニエリヒョンといれるように、こんなことに時間をかけていられない。


「ごめん」

「遅いよ、ちょっと目立たなくすればなんでもいいだろ」

「目立つのはヒョンでしょ」

「お?そんなに輝いてる?芸能人のオーラ?」

馬鹿だな、個性的な顔してるからだってば。
すごく個性的で、魅力的な。


「ヒョン、何食べたい?」

「んー、なんでも」

「そ、っか…」

どうしよう。俺は、ニエリヒョンといれるだけで良いけど。
ヒョンが楽しくなかったらもうこんな風に出掛けられないかもしれない。

「あー…またこないだのとこでいいんじゃない?近いし、あの個室の…」

「え、ヒョン…、いいの?」

「いいって?…だってチヂミ、美味しかったし。」

いいの?って、聞いたのは、料理がどうだったかとかじゃなくて。
ただ、前に行ったとき、個室だからって、ちょっと俺が…。



野暮なやつだと思われたくないから聞かないけど。
また同じように、キス、とか。してもいいってこと…なの?





「…どうしたんだよ、黙っちゃって。ジョンヒョナ?」

「へっ!?いや?何も?」

いつの間にかもう店がすぐそこで。さっきいたところから近い場所だけど、それでも6分ぐらい?
ずっと黙ってた?いや、ちょっと言葉は交わしたよ。まともな話してないだけ。
ヒョンがまたここでいいなんて言うから、俺、頭の中、変なことばっかり…。

バカか、俺は。




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