政宗にゃん

□今日と言う日
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今日は雨。少し寒いから箱のなかで丸くなる。箱のなかには俺のお気に入りの布がはいってる。その上で丸くなる。俺はすてられた。右目のせいらしい。俺に右目はない。あまり思い出したくない。

ふと、ひとの声が走る足音と共にが聞こえてきた。どんどん近づいてきて、俺の目の前まできた。
いたのは何人かの子どもで、俺を見ると黒猫だ、だとか目が片方ない、だとかを言うと俺の入ってる箱を蹴りつけた。突然の揺れに驚く。威嚇をしても、怖くはないらしく、何度も蹴られた。そこに別のひとの声がした。そいつは女で、子どもを追い払うと俺を見て、俺に触れようとした。
威嚇をしてもやっぱりきかない。
すると女は俺のことをお気に入りの布ごと抱き上げた。驚いていたら女が背中を撫でるもんだから、威嚇する気がなくなった。多分悪いやつじゃないだろうから。そのあと女は私の家に住むか?と聞いてきた。どうでもよくなって一言ニャア、と鳴いて腕のなかで丸まってやれば、女は俺を抱えたまま傘を持ち直し歩きだした。





女と出会ったのは雨の日



雨の日が俺と女の出会いの日
 

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