うたの☆プリンスさまっ♪

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「来栖翔くんだ。彼は体が弱いので、無理はさせないように。仲良くするんだよ」


活気のあふれる教室に先生の声が響く。

そんな中、ひとりの少女がその少年を見つめながら物思いにふけていた。


「(男の子だ・・・。確か、小学校にもいた子だよね・・・。あんま覚えてないや・・・。ま、いっか。どうせ、関わることなんてないんだろうし)」


その少女の名前は榎本莉亜。

この中学では知らぬ者がいないちょっとした有名人だ。

莉亜は興味をなくしたように、机に突っ伏す。


少年―――来栖翔はそんな机に突っ伏した莉亜を見ながら首をかしげた。


「なんだ・・・?あいつ・・・」


そう、小さく呟いた。

だがそんな翔の呟きは、誰にも聞かれることもなく、騒がしい教室へと、消えてった。


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