本館
□碧の瞳に映るのは
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食堂に行くと必ず彼はいた。
「君、ちょっと」
「あ、どうも」
無愛想極まりなく、仕事を淡々と進める。いつもそんな風。
「食糧の量大丈夫?」
「いや、肉が切れかけています」
「そう。提督に伝えておくよ」
返事は必要最小限のみ。無駄話などしない。
「……」
「何ですか?」
「あっ、君の目って碧(ミドリ)なんだって」
「そうですか」
普通の人なら顔を赤くするような台詞にも微動作すらしない。
「じゃあね、」
用無いなら早く帰ってください、と目で言われた気がした。
人を寄せ付けないし、近付こうともしない。
クールで感情を見せない。
僕はそんな所に引かれたのかもしれない。
何故だろう。