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□天国への階段
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「やっぱり、下界で生きてみたいと解らないようですね」
閻魔は過去に何度か下界に足を踏み入れていた。鬼男もそれをお供した。
人間を解ろうとしても二人はただの傍観者。人間の全ては理解できない。
「はぁ、何百回こうやって考えてしまうんだろう。あぁあ」
閻魔はため息を付く。
このため息は何百回もあった。
「……ちょっと善ゴメスさんの所へ行こうかな」
「今日の仕事まだ終わってないんですから、済ませてからですよ」
「はいはい。今日も死者がいるんだな…」
世界の何処かで誰かの命が終わる度に、閻魔大王や鬼男、天国と地獄を支える住人の仕事は終らない。