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□碧の瞳に映るのは
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「…惚れてるんですか?アイツに」
普段彼をライバル視する黒髪とネックレスが特徴的な船員に言われた。
この船員の言葉は正解だった。
「えっ?」
「恋したんですかって訊いてるんです」
「う゛っ」
「図星ですね」
三十二の自分より若い船員に悟られた。辛い。
「物好きですね、あんなのに」
「駄目?」
「いや駄目とかじゃないですけど」
彼をライバル視してるからか納得いっていない様子。
「……」
「!何ですか!?急に見詰めて!?」
「君の目って藍色なんだって」
「っ……////」
この船員は顔を赤くし目を逸らす。
「冗談だよ。赤くなって」
「冗談でも照れますよ!?いや俺の目は藍色ですけど」
「やっぱりそういう反応するよね」
「当たり前です!可愛いって思ってしまいましたよ!!」
彼がしなかった反応をこの船員は素直にした。
「アイツはあんま表情とか変えないんですね」
「君は表情豊かなのにね」
「今俺関係ないでしょ。全く」
「なんで好きになったんだろ…」
年は自分より下。無愛想に無表情の無口。
なんで引かれたのだろう。