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□何年も
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太子は小さい頃から俺が見えていた。
二十年近く前、たまたま下界に降りてきた俺を太子は見つけた。
普通の人間なら俺の姿は見えない。
だが太子だけははっきり見えている。
「お前、本当に閻魔大王なのか…?」
「酷いよ今更!?昔はビックリしてたのに」
「神様って以外とこんな人なんだって考えるとな…」
「なんで黙り混む!?」
二十年近く前、
まだ小さい子どもだった太子は初めて見た俺に興味を示した。
「お前何?」
「……死後の世界、冥界の王だよ?」
「何それ」
「君のご両親や周りの人がよく言う閻魔大王だよ」
「……そうか、じゃあ閻魔」