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□悪ノ王子《第1話》
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―――“黄ノ国”こと“ミラーランド王国”
「お呼びですか?レン様」
「メイコがまた来ている、追い払え」
「はい」
齢14の若き王子が国を支配していた。
その王子は国政をかいりみない暴君であった。
「これ以上の税金を取るのはやめてください、民は明日の食べ物にも困ってしまう…」
民の娘であるメイコもそれに苦しめられていた。
「王子の命です、お引き取りになって下さい」
王子・レンに仕えるメイド・リンはレンの命を聞く事しか出来ない。
「……貴様はなんとも思わないのか!?苦しんでいる民を見て…」
「……」
「何か言えよ、どうかしている…」
メイコはただ怒りをリンにぶつけるしかなかった。
そして身を引いた。
また来る。そう言うかのように。
「…かえってくれたか」
「レン様、どうなさるのです?また来たら」
「ほっておけ、気にするな。勝手に死ぬだろう」
「…はい」
レンは民の嘆きなど聞こうとしなかった。
「嗚呼、おやつの時間だな」
レンは時計を見て言う。
「わかりました、お持ちします」