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□悪ノ王子《第2話》
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メイコは戦い続ける。夢の為に。自分の国が、村が、幸せに暮らせる未来の為に。
メイコは剣士でもあったが戦い方は剣術だけじゃない。彼女は政治を理解したり語学力に優れたりする才女でもある。
そのまさしく文武両道にふさわしい面から亡き父に代わり若干齢21にしてスカーレット村の村長をしている。
「メイコ村長、また南の街で餓死の死者が出ました!」
「なんですって!?」
餓死や処刑が当たり前な国でもメイコは生きる事を諦めない。
自分には弟と、
最愛の恋人がいる。
「メイコ、俺も行く」
紫色の綺麗な長髪の若者がメイコに話しかける。
「ガク?」
走り出そうとするメイコは止まる。
ガク・バイオレット。
ミラー王国では珍しい純粋な医者。優しく腕のある若者。
そして、メイコの幼なじみで恋人。メイコより年下だが頼りになる。
「ガク、私と来てくれるの?」
「もちろんさ」