亜双義夢(男装夢主)

□親友の苦悩
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亜双義の話によると、入学当初から白川と同室で過ごし、最初は仲良くやれていたらしい。
それが、去年の秋頃から急に冷たくされるようになった、という。
そこから白川の事が気になり始めたと。

何がきっかけで嫌われるようになったのか、亜双義本人はわからないようだ。

先日の牛鍋屋での恋愛相談を思い出しながら、成歩堂もまた、亜双義にならって窓の外の夜空を見上げる。


* * *

酒を一気にあおると、亜双義は音を立てて盃を食堂机の上に置く。

【しかし……冷たくされればされるほど
熱くなるのだッ!】

ぐぬぬぬっ と拳を握りしめ、牛鍋を前に熱弁をふるう亜双義に成歩堂は目を瞬かせた。

男の性という奴なのか、つれなくされればされるほど、そそられてしまうのだという。
背筋がぞくぞくするらしい。

(冷たくされた途端気になりだすとは、こいつマゾの気でもあるのか……?)

内心のツッコミを口に出さないようにしながら、成歩堂は冷めた牛鍋を口にした…――

* * *


「でも、本心で嫌われてはいないと思うんだよな……」

窓の外から視線を戻し、成歩堂は腕組みをしながら亜双義に視線を遣った。

親友は窓の外を見つめたまま成歩堂の言葉を受け止め、低く唸る。

「それはオレも感じている……」
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