麒麟の乙女
□麒麟の乙女 第二話 洛陽脱出戦
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光が消えたと思ったら、景色が変わっていた。
大きなお城の通路に立っている。
なんだか周りが騒がしい。
『曹操を逃がすな!』とかなんとか。
ん?曹操?
「洛陽か!!」
はっと気がついて周りを見る。
建物の中から、一人の男の人が飛び出してきて、弓を持った男の人と刀を持った男の人と一緒にこちらへ逃げてくる。
そして、それを追いかけてくる、大柄な人。
(りょっ!呂布だああああ!)
と、逃げ出そうとして、踏み留まる。
私は芙蓉さんに言われて、魏をifストーリーに導く為にやって来た。
だから、今、私がするべきは逃げることじゃない。
くるりと振り返り、私は走り出した。
目指すは呂布。
こちらに向かって走って来る曹操さんたちが私を見つけて驚いた顔をする。
呂布は曹操さんしか目に入って無いみたいで私には気付いてない。
私は三人の視線を無視して、全速力で走る。
服装は天女の服のままでちょっと走りづらいけど。
三人と擦れ違った時、一瞬だけ、夏侯惇さんと目が合った。