novel

□似ている
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「サンジー!!!飯まだかー!!??」

「もう少しだって言ってんだろ!!!!」


「見てみろチョッパー!この鍛えぬかれた2年後のウソップ様の華麗なる狙撃を!!」

「おおっー!すっげー!!」


「今週の俺もスーパー!!」


「ヨホホホ!あのナミさんパンツ見せてもらってもいいですか?」

「見せるかァ!!!!」

ゴォン!




(…うるせェ)

ローは甲板の壁に寄りかかって座り、読書をしていたが、麦わらの一味の騒がしさに集中できずにいた

ローは本をパタンと閉め、ため息をついた

いくら同盟を組んだといえど、裏切る保障もない、いずれは敵となるかもしれない奴が自分逹の船にいるというのに、
麦わらの一味は全くローのことを警戒せず、寧ろ新しい仲間のように受け入れていた

(....警戒心が足りねェ)

なんて思いながらも、自分も敵船で優雅に読書をしている

人の事は言えなかった

敵だと思いながらも、お互いに心のどこかで心を許し合っているのだろう

ローにとってこんなにも人に心を許していることは珍しかった


「トラ男!それ読み終わったのか??」

食堂から出てきたルフィはローが本を閉じてる事に気付くと、直ぐ様ローに話しかけた

ローは首を横に振り「いいや」と一言答えると、ルフィは「そっか!」と一言言ってまた食堂へ戻って行った

そしてまたルフィはサンジに「飯まだか!!?」と同じ質問をし「まだに決まってんだろ!!!」と、どやされて食堂から追い出されていた


(あいつらに似てんな....)

ローはルフィは勿論、麦わらの一味の呆れるような行動を見てて、自分のクルー達を思い出した

それと同時に少し切なくなった

かれこれ2カ月以上は会っていなかった


「会いてェな....」

「誰に会いてーんだ?」

「!?」

気づいたらローの隣にチョッパーが座っていた

「....いつからいた?」

「ルフィがトラ男に話しかけた時ぐらいからだぞ」


気づかないとは不覚だった

だが、もっと不覚なのは....


「なー!なー!誰に会いてーんだよー?」

自然に「会いたい」と口に出してたことだ

「....別に、何でもねェ」

「もしかして仲間に会いてーのか?」

「............」

別に否定はしなかった

本当のことだから

「そっか!大丈夫!俺達がすぐに仲間達のところに無事に送り届けてやるから!」

「....あぁ」

「安心しろよ!」




『大丈夫です!船長が留守の間は俺達が絶対に船を守ります!』

『だから、安心して下さい!』

『キャプテン!早く帰ってきてねー!』



(似てるな....)


「ん?トラ男何笑ってんだよー」

「何でもねー」



(待ってろよ....)


すぐに戻れそうだ



End

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