短編

□拍手お礼文(ダイコン役者)
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『ラブコメで20のお題』よりまさかのクィレルネタ(笑)

場面はクィレルがホグワーツの説明のために夢主宅へ訪れた時です


01.きゅんって音がするらしいです


私はクィリナス・クィレル。
ホグワーツの、闇の魔術に対する防衛術の教師だ。
趣味は世界旅行で好きなものはガーリックトースト。
それから人生の分岐点はアルバニアでご主人様と出会ったことだ。
それ以来、私の後頭部はあのお方の特等席で、いついかなる場合も私はご主人様と共にある。
あのお方は恐ろしくもあるが本当に素晴らしい。
私など、ほんのちっぽけな存在なのだと思い知らされる。
出会い言葉を賜った時は、恋にでも落ちたような心地だった。

これから先このお方以外に私の心を動かせる者など、きっと居ない。
そう確信を持って言えるぐらい、私は心底あのお方に心酔しているのだ。

さて。
前置きが長くなってしまったが、私はあるマグルの家の前にいる。
マグルなど下等なものの土地に踏み込むのは後頭部におられるご主人様に申し訳がないのだが、教師としての仕事なのだから仕方が無いと、なんとも寛大なお言葉を頂いた。


因みに、なんでもここにいる少女は日本人だそうで、日本語の嗜みがある私が学校の説明役に抜擢された。
まったく、余計な事をしてくれたものだ。


インターフォンを鳴らしながら、私は内心でごちた。
早く面倒ごとを終わらせたいものだ、と。




───失敗した。
何がと言われれば、この生徒に関わってしまったことだろうか。

昨日練習した日本語での吃りも、気弱な教師の役も上手くいった。
頭に紫色のターバンというおかしなセンスをさらけ出し、常に懐にはニンニクを忍ばせて臭さの演出も抜かり無い。
生徒に嫌煙されがちな、完ぺきなクィレルだった。
いつもと、何ら変わらないはずだったのだ。
なのに。

なのに、まさかこんなことなるとは。
まさかこの私が───

「せん、せ。くれるせん、せに、おちゃ。私行くの」

「はいはい。ハーマイオニーは緑茶の方が好きだったわね。ケーキは?」

「うん、すき。大きく、すき」


───子供に心を動かされるとは。

片言で英語を話す姿は、なんとも庇護欲をそそられて愛らしい。
とてとてとこちらに向かって歩く足音に顔が綻び、はにかみ笑う顔に癒される。

……どうしてくれようこの生き物。




「せんせ、お茶。あげる」

「あ、ありがとう」


極め付けはトレーに乗せたカップを渡す時の所作だ。
一旦膝をついて丁寧に差し出す姿のなんと慎ましやかなことか。
ああ素晴らしいこれぞ大和撫子、日本の美の化身。

この片言の拙さの中にちらりと覗くこの気配りが、たまらなく可憐だ。


「……くれるせんせ?」


正直に言おう、キュンときた。


確かに恋だった
http://85.xmbs.jp/utis/




アトガキ。

クィレル先生籠絡ネタが書きたかったんです。
沢山の拍手を、ありがとうございました!

実はこの光景とクィレルの心情、後頭部のあの人にも筒抜けっていう(笑)

あはは
更新がんばります。
よろしかったら感想などよろしくお願いしますm(_ _)m
 

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