風の行方
□5.突然の誘い
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チリリリリン
という音で俺は現実に引き戻された。どうやら過去の感傷に浸っていたようだ。
チリリリリン
また音がする。
俺は何故感傷に浸ってしまったのかを考えながら音のする方を振り返った。
音の正体は電話だった。
一瞬、過去の父の記憶が蘇り拒否反応を起こしそうになるが、なんとか持ちこたえて電話に出た。
ユイ「はい、新木です」
?「もしもし、ユイ?私だよ、ナナだよ」
ユイ「なんだ、ナナか…」
ナナ「なんだ、って何よなんだ、ってー!」
______数分後______
ユイ「で、要件はなんだ?」
ナナ「あのね、なーさんが、明日女子テニス部に来てってユイに伝えといてって言われたんだ」
ユイ「…納谷さんが?」
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