短編集。

□代わり。
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認めない。
目の前のものは違う、違う何かだ。

そう、思い込ませる。
でも、目に映るのは、彼奴で。

何で、何故こうなった?
自問を繰り返すも、答えは出てこなくて。
知らないうちに目から溢れる涙。
俺の頬を伝って、彼奴の頬に落ちる。
涙の溜まった眼で彼奴を見ると、視界が歪んで、少し動いたかのように見える。
今にも動きそうなのに。
今にも笑い出しそうなのに。

動かないのはどうしてだろう。
いつもの冗談だろう?
動いてくれ、俺を驚かせないでくれ。
いつもみたいに、笑ってこっち向けよ。


頼むから、俺を、一人にしないでくれ___。


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