うたぷり

□非効率な行動
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朝、目覚めるとキッチンから音がした。料理を作っているようで、何かを焼く匂いもする。

ボクは着替えを済ませてキッチンに向かった。


「あっ!おはようございます!」

笑顔で迎えてくれたのは、予想通り恋人の春歌である。

「おはよ。で、君は朝から何してるの?」

確か昨日は新曲の打ち合わせをして、春歌は朝から仕事があると言うので暗くなる前に帰したはず。

「あの…先輩は今日、午後からだと聞いていたので、朝食だけでもご一緒出来ればと思って…」

しどろもどろに説明をしているが、要するに同じ時間を共用したいということだろう。

「…はぁ。それじゃあ君を帰した意味がないでしょ」

本当はボクも君ともっと一緒に居たかったけど、君はボクと違って無理をするとすぐに体調を崩すから、仕方なく帰したのに、結局、こんな朝早くに来たんじゃ我慢した意味がない。

「うぅ。すみません」

見なくても分かるくらいにションボリした声に笑みがもれる。

「怒ってる訳じゃないよ。でも、無理して倒れないでよ」

連絡がつかなくて、心配し過ぎるなんてゴメンだよ。

「気をつけます!」

怒ってないのが分かると春歌から笑みがこぼれて、釣られてボクも笑ってしまう。







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