うたぷり

□squall
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仕事の帰り。もうすぐ家に着くという所で突然の豪雨にみまわれた。ある程度の天気の予測はできるけど、最近のゲリラ豪雨というのはなかなか予測不可能だ。春歌との約束の時間までまだ少しある。傘を買うより走った方が早いと判断して全速力で家まで走って帰った。


自宅兼スタジオに着く頃には頭からつま先までびしょ濡れになっていた。

「どこもショートしてないといいけど…」

簡単に動作チェックをして、バスルームに入った。


雨水は浴びすぎると錆びる原因にもなるし、念入りにシャワーで落としてから簡単にタオルで拭ってバスルームを出た。

「「っ!!?」」

バスルームの扉を開けると目の前にずぶ濡れの春歌が立っていた。

「あ、あの!すみません!!」

目が合うなり叫んで、ボクから目をそらせた。

「…なに、その態度」

少しムッとして、春歌の両頬を掴んで目を合わせる。

「…いえ…その…あの…」

しどろもどろになりながら、顔も赤いし目線も泳いでいる。

「なに?はっきり言いなよ」

「…ふ、…服を…着てもらえますか?」

そう言われて、下にスウェットだけを身につけただけの自分の姿を思い出す。

「…?目を背けるほど、このボディって酷いの?」

顔のモデルはあくまで愛音だけど、ボディは十代男性の平均的なもののはずだ。太っているわけでもないし、どこか変なんだろうか?それならば、博士に言って直してもらわないと困る。

「そ、そうではなくて!目…の遣り場に困るんです…」

最後の方はほとんど聞き取れないほど小さな声だったけど、春歌の顔が更に赤くなっていた。

「素っ裸なわけじゃないし、平気でしょ?」

壁際まで春歌を追い詰めて耳元で囁く。

「それとも、裸の方が良かった?」

「っ!!!」

耳まで赤くして、春歌の肩がビクリと震えた。

「あぁ、春歌もびしょ濡れだね。そうだ、一緒にお風呂入ろうか?」

「け!結構です!一人で入れますので!!お風呂おかりします!!!」


春歌は脱兎のごとくボクの腕から逃げてバスルームに駆け込んだ。久しぶりに会えたのに目を逸らされた事にムッとして、少しイジメすぎたかな。




ボクは風呂あがりの春歌に暖かい飲み物を入れるためにキッチンに向かった。春歌がこれ以上恥ずかしがらないように、ちゃんと洋服も身につけて。




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