小説


□それではチョコを買いに行きましょう!
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(バレンタインデーも近いと言うことで)

カズ「ユウヤはバレンタインにジンへチョコをあげるのか?」

ユウヤ「えっと。…ばれんたいんって何かな?」

カズ「(そこからか…)」

ユウヤ「カズくん?」

カズ「あ、悪い。バレンタインか、そうだな、日本では女子が好きな奴にチョコをあげる日かな」

ユウヤ「好きな…?」

カズ「おう」

ユウヤ「っ、カズくん!大変だよ!好きなものが多過ぎて今持っているお金だけだと皆にチョコを買ってあげられないよ!僕はリュウビもセンシマンも大好きなのに…!」

カズ「ああ、うん、すまない。今のは俺の言い方が悪かった。正しくは女子が一番好きな男子にチョコを送る日だな」

ユウヤ「あ。それでカズくんは僕にジンくんへチョコをあげるかどうか訊いたんだね」

カズ「まあ、そういうことだな。で、やるのか?」

ユウヤ「うーん。僕も今知ったばかりだから何とも言えないけど…」

ヒロ「はい!僕もカズさんとユウヤさんからのチョコが欲しいです!ものすごく欲しいです!」

カズ「誰もそんなことは訊いてない」

ユウヤ「ごめんね、ヒロくん。僕の一番はジンくんだからヒロくんにはあげられないんだ」

ヒロ「うぐっ!ユウヤさんの言葉に心が痛いです!でも僕の不屈の心は決して折れませんよ!」

カズ「もういっそのことそんな不純な動機しかない心なんて折れてしまえ」

ヒロ「折れません!良いですか、ユウヤさん!バレンタインと一口に言っても色々なチョコがあるんです!」

ユウヤ「色々なチョコ?」

ヒロ「はい!確かに本質は先程のカズさんが言った通りなのですがそれ以外にも日頃の感謝を込めて送る義理チョコや友達に送る友チョコ、家族に送るファミチョコにお世話になった人に送る世話チョコと言うものもあるんですよ!」

ユウヤ「へえ。ヒロくんは随分とバレンタインに詳しいんだね」

ヒロ「ええ!さっき調べてきたばかりですから!」

カズ「さっきかよ」

ユウヤ「じゃあ、僕がジンくんにあげるチョコは何チョコになるのかな?」

アミ「それは本命チョコね。ねえ、お金がないなら手作りのものにすれば安上がりで済むわよ?」

ユウヤ「アミさん。え。手作りってチョコを?」

アミ「そうよ」

ユウヤ「カズくん。チョコって何からできているのかな?」

カズ「誤解してそうだから先に言っておくけど別にチョコを一から作る必要はないからな」

ユウヤ「あれ?そうなの?」

カズ「チョコを使った手作りのもの、な」

ユウヤ「なるほど。でもそれで安上がりになるの?」

アミ「なるわよ。安物のチョコを適当に溶かして固めて手作りチョコと言って渡せば男共はそれだけで面白いくらいに喜ぶんだから」

カズ「男の立場からしたらそんな生々しい女子の内情は知りたくなかったな」

ヒロ「そ、そうですね…」

アミ「どうせならカズも一緒に作る?今年もバンにあげるんでしょう?」

カズ「まあな。うん。あの女子たちの巣窟の場に行かなくて済むのならそっちの方が楽だよな」

ユウヤ「良く分からないけどカズくんも苦労しているんだね」

アミ「バレンタインが近くなると男子はチョコを買い辛くなるものなのよ」

ユウヤ「そうなんだ」

ヒロ「待って下さい!と言うことは、今年はカズさんとユウヤさんの手作りチョコを食べることができるんですね!楽しみです!これはバレンタインの日が楽しみ過ぎますよ!」

アミ「ユウヤはともかくカズが作ったものは絶対に渡さないわよ」

ヒロ「そ、そんな殺生な…!」

カズ「いや、別にそのくらいやっても良いだろ。何回か失敗すると思うからそれでも良いなら好きなだけ食っても良いぞ」

ヒロ「本当ですか!わあい!楽しみです!」

ユウヤ「ところで、カズくん。一つ訊きたいことがあるんだけど良いかな?」

カズ「ん?なんだ?」

ユウヤ「バレンタインは女の子が一番好きな男の子にチョコを渡す日だってカズくんは言っていたよね?」

カズ「おう」

ユウヤ「カズくんは男の子だけど良いの?」

カズ「ユウヤ。バレンタインのチョコには男が男にチョコを送るホモチョコって言うものもあるんだぜ?」

ユウヤ「そっか。それじゃあ、大丈夫だね!」

カズ「うん。何が大丈夫なのか俺には全然分からないけど多分大丈夫だと思うぜ」

アミ「さて、話も纏まったところで早速だけど材料を買ってきてさっさと作りましょうか」

ヒロ・ユウヤ「おー!」

カズ「いや、ヒロは作らないだろ。ってか、え、今から作るのか?マジで?」




【それではチョコを買いに行きましょう!】


ユウヤ「ジンくん!今日はバレンタインだから良かったら、あの、これ…!」

ジン「っ、僕がそれを貰っても良いのかい?」

ユウヤ「う、うん。だってジンくんのために作ったものだから良いに決まっているじゃないか」

ジン「ありがとう、ユウヤ。有難く頂くよ。ホワイトデーには勿論3倍いや10倍返しをするから」

ユウヤ「ほわいとでー…?」

カズ「ほら、バン。今年もやるよ」

バン「ありがとう、カズ!はい!これは俺からね!」

カズ「おー、サンキュ」

アミ「二人とも無事に渡せて良かったわね」

ヒロ「はい!良かったです!」

カズ「アミ。おまけにヒロ。今年のバレンタインは世話になったからな、ほい」

ユウヤ「はい!僕からもあるよ!」

アミ「あら、散々カズの失敗作を食べさせて貰ったのに成功したものまで食べられるなんて嬉しいことしてくれるじゃない。そしてこれは私からのチョコね」

ヒロ「僕もです!ユウヤさんの失敗作をお腹いっぱい食べたのにまたこうして貰えるなんて、ありがとうございます!」

バン・ジン「(本命を貰えたはずなのに、何故だろう、アミとヒロがものすごく羨ましい…!)」

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