まじっく快斗☆

□運命の出会い?
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ー数日後ー




私はいつもと変わらず眞理さんに持ってきてもらった小説を読みながら、うつらうつらとしていた。




だがのんびりできるのは私だけ、何日か前に怪盗キッドと言う神出鬼没の大怪盗から予告状が来たのだ。



内容はもちろん、この家の何処かにあるビッグジュエルを盗むと言う内容だった。




だが、一つ分からない事が書かれていた。




『……胸の内に輝きを秘めた小鳥を捕まえに参りましょう……?』





「みゃ??」




未だに誰もこの言葉の意味が分かっていない状態だ。



予告日時は今日午後7時。




警察の人もやって来ていて厳重体制だ。



現時刻、午後6時50分。




あと10分ほどで予告時間になる。




私の部屋には私しか居ないが、外の廊下には何十人も並んでいて、窓には格子がつけられた。




どさくさに紛れ私が逃げないためか、それともキッドが入って来れないようにかは分からない。



外にはヘリコプターやら野次馬やらでだいぶ騒がしい。




『はぁ……』




これじゃあ読書に集中出来ない、と私は本を机に置きミリィを撫でながら時間が経つのを待つ。




残り1分……








5……4……3…2……1………0






シューッ



と言う音が家中から聞こえてくる。




『!?….な、何っ??』




慌てているとコンコンとドアをノックする音が聞こえた。




「お嬢様!眞理です!」




『眞理さん!』




私が応えると眞理さんは部屋へと入って来た。




どうやら音は催眠ガスが発生した音のようで廊下に居た警官達は皆眠ってしまったようで、慌てて私の元へ来てくれたそうだ。




「お嬢様、お怪我ございませんか??」



『えぇ…眞理さんこそ、大変だったでしょうに…』



「いえ、私は大丈夫です。それよりお嬢様、早くここから逃げませんと。」



窓に付いた格子を意図も簡単に外す眞理さん。



廊下から聞こえるバタバタと走る足音。




そこでやっと気づいた、、、今私の目の前にいるのは……




『怪盗…キッド……?』




「フッ(笑)……お見事です、お嬢様」




バンッ!と扉が開きお父様がやってくる。



その後ろからは中森警部と言っていた方も急いで部屋に入って来る。




『お、お父様……』


思わず後ずさってしまう。


「梨穂!早くこちらへ来なさい!」



凄く怒っているのが手に取るように分かる。



お父様の言うことは絶対。



だが、思うように動けずその場でかたまったままだ。



「梨穂っ!」



『いやっ……』




ズカズカと私に近づいてくるお父様に思わず小さな悲鳴を上げてしまった。



すると…


ピュンッ


と、何かが飛んで行きお父様の足下に刺さる。



「お嬢様が怯えていらっしゃいますよ?….…お父様」




急に視界が傾いたかと思うとキッドに肩を抱かれている状態だった。


ふくの上からでも温もりが伝わって来てドキッとしてしまう。




「残念ながら、お嬢様は頂いて行きます。私もお嬢様の事少しばかり気に入ってしまったもので…」




『え……』




そう呟いたのと同時にマントで隠すように思い切り抱き寄せられた。



周りの様子は分から無いがボムッ!と言う音がなったのは聞こえた。




「しっかり捕まっていて下さい」



そう言われキッドにしっかりと捕まる私。



その時一瞬だけ見えた。




ミリィを抱いた眞理さんが悲しそうな優しい笑顔で手を振っていたのを。
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