HSKの妹様(仮)

□第2SK
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『(なんか周りが騒がしい・・・)』

終礼の後先生に頼まれた用事を終わらせて体育館に向かう途中、周りが騒がしかった。


『(あーもう始まっちゃってるかも・・・!)』

急ごうと思った瞬間声をかけられた。


「スイマセーン、ちょっといいですか?」

呼ばれて振り返ってみると、金髪で長身のイケメンさんがいた。


『はい、なんですか?』

「体育館まで案内してほしいんスけど」

『いいですよ、私も向かうところでしたし』

「ありがとう」
そう言って、彼は眩しい笑顔を私に向けた。でも、どこか違和感がある笑顔だ




体育館へと移動しているのだが、さっきからイケメンさんからの視線が痛い。

『あのーなんか顔についてますか?』

「え!?いやー別にそのー・・・」

『?』


イケメンさんはそわそわしてたけど、やっと話し出した。

「俺の事知らないっスか?」

『会ったことありましたっけ?』


(なにかと思えば何言ってるんだこの人)
少しだけ引いてるとイケメンさんが慌てて言った


「いやー別に変なことじゃなくて、俺、一応モデルやってるんスよ」

『モデル、モデル・・・』
言われてみれば見たことあるんだけどなー
あともう少しで思い出せそうなのにと考えてると名乗ってくれた。



「黄瀬涼太っていいます」

『(あぁーきせりょだ)
すいません、モデルとか興味なくって』

申し訳なくて頭を下げると「顔上げてくださいっス」と言ってくれた。



「いいんスよ別に、
それより名前教えてもらってもいいっスか?」

『高尾加奈です』

「かなっちスか、それと敬語じゃなくていいっスよ?」

『(かなっち?)うんわかった』












黄瀬くんと話をして別れた後ドリンクを作りに少しだけ外に行ってたんだけど少しだけ、なのに・・・


『・・・何これ』



体育館には女子達のギャラリーが出来ていた。


『ドリンク出来ましたー』

「ありがとう「かなっち!」!?」



『(ああーなるほど黄瀬くんか)』
大型犬基、黄瀬くんがさっきとは違う満面の笑顔で手を振ってきた。


「え、加奈知り合いなの!?」

『さっき体育館は何処か、と聞かれたので道案内したんです』

「さっきはありがとう助かったっス」

『ううん、全然大丈夫』


「ていうかなんでここに!?」

「いやー次の相手誠凛って聞いて黒子っちが入ったの思い出したんで

挨拶に来たんスよ、中学の時一番仲良かったしね!」

「フツーでしたけど」

「ヒドッ!!!」

黄瀬くんは泣き出した(ウソ泣きだけど、ていうかコントみたいだなー)



「〈黄瀬涼太、中学二年からバスケを始めるも恵まれた体格とセンスで瞬く間に強豪・帝光でレギュラー入り

他の4人と比べると経験値の浅さはあるが、急成長を続けるオールラウンダー〉」


「中二から!?」

「いや、あのー大げさなんスよその記事ホント
【キセキの世代】なんて呼ばれるのは嬉しいけど、その中でオレは一番下っぱってだけでスわ〜〜

だから黒子っちとオレはよくイビられたよな」

「ボクは別になかったです」

「あれ!?オレだけ!?」

『(黄瀬くんは弄られるタイプか・・・)』


私が黄瀬くんは面白いなーと思っていると、ボールがいきなり黄瀬くん目掛けて飛んでいった

「った〜〜ちょ何?」

「「火神!?(君)!!」」


「せっかくの再開中ワリーな
けどわざわざ来てアイサツだけでもねーだろ、ちょっと相手してくれよイケメン君」


黄瀬は最初は乗り気じゃなかったが、何かを思い出して火神の申し入れを承諾した


結果は黄瀬くんの圧勝。
周りを見てみると驚いた顔をみんなは隠せないでいた。

その様子だと、練習中に火神くんがやっていたのを今さっきコピーしてやって見せたというところだろう。

『(ただの大型犬モデルじゃなく、キセキの世代は伊達じゃないってか)』


「ん〜〜・・・
これはちょっとな〜〜」

「?」

「こんな拍子抜けじゃ帰れないっスわ

やっぱ黒子っちください」



・・・えぇ〜、黄瀬くんにそんな趣味が(絶対違うと思うけど)
話にはちゃんと続きがあった


「ウチにおいでよ、また一緒にバスケやろう」


その言葉に私を含む誠凛メンバーは呆気にとられていた。



「マジな話、黒子っちのことは尊敬してるんスよ!こんなとこじゃ宝の持ち腐れだって、ね?どうっスか?」



「そんな風に言ってもらえるのは光栄です。
丁重にお断りさせていただきます」

黒子くんはペコリと効果音が付きそうなほど可愛いお辞儀をした。だが本気がわかる


「文脈おかしくね!?

そもそもらしくねぇっスよ!
勝つことが全てだったじゃん!!
なんでもっと強いトコ行かないんスか?」


黒子ははっきり面と向かった

「あの時から考えが変わったんです
何より火神君と加奈さんと約束しました。
君たちを・・・【キセキの世代】を倒すと」


「・・・やっぱらしくねっスよ…そんな冗談言うなんて」



「ハハったくなんだよ…俺のセリフとんなよ黒子」


「冗談苦手なのは変わってません

本気です」
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