HSKの妹様(仮)
□第5SK
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リコ先輩に言われた通りに来た加奈は無事部員達と合流した。
だが何故か目の前に並べられた大迫力のステーキ。
ふと振り返れば壁に貼ってあるチラシが目に入る。
“超ボリューム4kgスーパー盛盛ステーキ!!30分以内に食べ切れたら無料!!”
『失敗したら自腹一万円・・・』
思わぬ事態に加奈は顔を引き攣らせた。
「さ、ガッツリいっちゃって!!」
「ガッツリいきすぎじゃねぇ!?」
だが加奈だけでなくこの状況には全員が顔を引き攣らせていた。
「マジこれ食えなかったらどーすんの!?」
「え〜?ちょっと〜。何のために毎日走りこみしてると思ってんの?」
「「「(バスケだよ!!)」」」
『(逃げる気ですかっ!!)」
だが出されたものは仕方ない。全員死に物狂いで食べ始めた。
「(ヤッベー・・・こーゆーのだって分かってたハズなのに・・・)」
「このステーキ・・・ステキ」
「ごめん・・・そーゆーの今マジウザイ・・・」
伊月の呟きにより全員の苛立ちが高まる。
「・・・すみません。ギブです」
「「「黒子ぉぉぉぉぉぉ!!」」」
何口ぐらいしか食べてないだろうが元からかなり小食である黒子が脱落。しかも肉は半分以上どころかほぼ丸々残っていた。
『(地獄絵図だ・・・)』
「うんめー!!つかおかわりアリかな?」
「!」
「あれ?いらないんだったら貰ってもいい?んですか?」
「(リスみたいに食っとる!!)」
火神の方を見てみたらモギュモギュと肉を頬張っていた。
「「「・・・・・」」」
そしてあっという間に火神によって全ての皿が空になった。
「「「(火神ありがとぉぉぉ!!)」」」
無事全員クリアできました。
「ごちそうさまでしたー」
「もう、二度とくんなーーー!!」
『(店長さんご愁傷様です)』
「さすがに食いすぎた・・・」
そういってお腹をさする火神。
「やーオマエってバケモンだな・・・」
「でも助かったな〜」
その意見には部員全員同意だ。
「よし!じゃあ帰ろっか!」
『リコ先輩、黒子くんがいません。』
「いつもの事だろどうせまた最後尾とかに・・・」
伊月の言葉に一斉に後ろを振り返るが、黒子はいない。
「「「いない・・・」」」
『だから、言ったじゃないですか!』
「「「・・・」」」
「てかフラフラどっか消えるって子犬か!」
『それより早く見つけましょーよ』
「そうね、逆エビの刑はそれからかな・・・」
『「っ・・・」』
リコ先輩の低い声に背筋が凍った。