HSKの妹様(仮)

□第2SK
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2−C教室前。

何故一年生の加奈が此処にいるのかというとさかのぼること数分前、どこかに行って戻ってきた黒子に本入部届けを貰ってきたという話を聞いてやってきたのだ。


『リコ先輩、本入部届けください』

「加奈アンバ、ビズバビデキタノ!?(あんた、いつ入って来たの!?)」

普通に聞いたのにリコ先輩は驚いて飲んでたものを吹き出した
大丈夫ですか?と聞くと大丈夫よと言って口元を拭いた

『黒子くんに聞いて取りに来ました』

「そうだったの、マネージャーいなくて私一人だけだったから助かるわ」

リコは机の中から取り出した本入部届けを加奈に渡した







―「あ、言い忘れてたけど、受け付けるのは月曜朝8:40の屋上ね!」―


加奈は本入部届けをもらい廊下を歩いていた。



『(なんで屋上?)』

何故屋上なのか不思議に思いながら教室へ帰って行った。




























―――月曜8:40屋上。

「フッフッフ、待っていたぞ!」

『・・・』

・・・言われたとおりに来てみたらラスボス(リコ先輩)が立っていた。

「・・・アホなのか?」

「決闘?」

私を含む一年が頭に?が浮かんでいた


「つーか忘れてたけど・・・月曜って、
あと5分で朝礼じゃねーか!!」

火神の声がグラウンド中に響いた。

「とっとと受けとれよ!」



「その前に一つ言っとくことがあるわ
去年主将にカントクを頼まれた時約束したの。

全国目指してガチでバスケをやること!
もし覚悟がなければ同好会もあるからそっちへどうぞ!!」



「・・・は?そんなん・・・」




「アンタらが強いのは知ってるわ
けどそれより大切なことを確認したいの。
どんだけ真面目にやっても【いつか】だの【できれば】だのじゃいつまでも弱小だからね。
具体的かつ高い目標とそれを必ず達成しようとする意志が欲しいの。

んで今!ここから!!
学年とクラス!名前!今年の目標を宣言してもらいます!

今いる二年は全員やったのよ

さらにできなかった時はここから今度は全裸で好きなコに告ってもらいます!」



「「「ええ〜〜〜!!?」」」



「・・・は?」



『(私はやらないよね選手じゃないし)』

加奈は他人事のように思った



「さっきも言ったけど具体的で相当の高さのハードルでね!【一回戦突破】とか
【がんばる】とかはやり直し!

それと、加奈」


『はい?(やな予感が・・・)』


「加奈もここで宣言してもらうわよ!!」


『・・・え?』
マジっすか


リコ先輩の一言で私は放心状態に
なってしまった。


その間に火神君が大きな声でみんなに向かって宣言する。





「1-B 5番!火神大我!!
【キセキの世代】を倒して日本一になる!」






「!!?」

火神のいきなりの宣言にグラウンドに集まっていた生徒たちは度肝を抜かれた



「次はー?
早くしないと先生来、ちゃ、う、よ・・・」

リコが言い終わる前に加奈がリコの前を横切って柵に手を置いた。






加奈は息を吸って宣言した。

『スー、
1-B 20番高尾加奈!

【キセキの世代】とか言われてる奴らを誠凛バスケ部チーム一丸となって倒す!

そのために一生懸命サポートしてついでに日本一になる!!』



後ろを振り返るとリコ先輩たちが固まっていたけど、すぐにリコ先輩は満面笑顔になった


「加奈、今の言葉すっごいかっこよっくて、惚れたわ♡

よって合格よ!!」


その言葉に私はほっとした


「加奈に続いてどんどん宣言してちょうだい!」

私の後に
降旗くん河原くん福田くんが続いたけど内容はすごかった


「あのー彼女欲しいとかダメですかね」

「却下ー」

『(当たり前でしょ・・・)』

「他には?」

「っじゃあ僕がスー
1-A 河原浩一!東京都中央区出身
子供の頃は病弱で、スポーツどころじゃありませんでした。それが変わってきたのは幼稚園の時・・・


小学五年の時には、林間学校へ行って皆と見たオールスターの中継が忘れられません。あのとき自分は初めてバスケットをカッコいいなーと思いました



『(・・・・・・長いっ!こんなところで人生語るな!!)』



中学でバスケ部に入ったときは、まともにプレイできず足を引っ張ってばかりで、ひたすら自分が惨めでした。


でも!」



次の瞬間リコ先輩の見事な蹴りが河原くんに決まり地面と挨拶していた。

・・・正直リコ先輩が女神に見えた。



「次!!」

「あの、俺彼女欲しいんですけど・・・」

「却下だっつーの」

『(いい加減あきらめなよ・・・)』



「1-D 福田寛!
自分は人のためになることが好きなので、先輩が助っ人募集というのを聞き、迷うことなく入部を決めました!!」

『(福田くんいい奴だけど、それダジャレだから!!・・・騙されやすいタイプだな)』


「1-D 降旗光樹!
好きな子が俺が何かで一番になったら付き合ってくれてもいいって言ってくれてる、
だから俺はバスケで一番になろうと思う!


これでダメなら俺、入部できなくていいッス」

「ある意味感動した」

『(ある意味同情する・・・)』



「次は?」

「すいません」

「ひぃっ」
リコは黒子の存在に気づき驚いた

「ボク、声張るの苦手なんで拡声器使っていいですか?」

「いいケド・・・」

『(どこから・・・!?やばっ)』



加奈は階段から上がってくる先生が見えたので奥に隠れた。


黒子君が拡声器を持ち息を吸ったところで先生がやってきた。



「コラー!!またかバスケ部!!」


「クソ、もうちょっとだったのに」

「去年さんざん注意したよな、もうやらないって言わなかったか?
・・・高尾はどうした」



先生に呼ばれてしまった私は、ちょっと試してみることにした。


「先生あの、そんなに怒らないでください。私たちはただ部活動への取り組む姿勢を一人一人高い意志を持ってすべきだと思い屋上から宣言しました、でも時間と場所が悪かったですね。・・・すいませんでした」



私は頭を深々と下げた。





・・・わかればいいんだ、とりあえず屋上は使用禁止だ!すぐに朝礼に戻れ」


バタン!


「行っちゃった・・・?」

『はぁ焦ったー』

「すげーなオマエ」

『え、そーかな?』

「先生にあんなに面と向かって言うなんて」

『なんでだろ・・・無意識かな』



そのあとの学校生活はいろんな人に見られ、恥ずかしいったらありゃしなかった






















―――放課後マジバ。

「ちょっと大声出したぐらいであんな怒るかよ?」

「未遂だったのにボクも怒られました・・・」

「ん!?」

火神はハンバーガーを喉に詰まらせた。
それもそのはず、いないと思っていた人物が此処にいるから


『いい加減慣れなよ火神くん』

「またいるのかよオマエ等」

『だって私たち、バニラシェイク同盟だから』

「なんだよそれ!?・・・つーか店変えよーかなー」


火神は加奈の言ったことをスルーして溜め息をついた。


「屋上入れなくなっちゃったみたいですけど、入部できなかったらどうしましょう」


黒子は少し落ち込んでいた



『さっきも言ったけど、それはないから大丈夫だよ』

「そうでしょうか」


「ところでオマエさ、なんで他の5人みてーに名の知れた強豪校に行かねーんだ」


火神はいつもと違って真剣だった。


「そもそも幻の6人目なんて言われてるくらいじゃねーか」


「・・・・・・・・・」


黒子くんはシェイクを啜って俯いた。


「オマエがバスケやるのにはなにか理由があるんじゃねーの?」



黒子くんは顔を上げて話し出した


「・・・ボクがいた中学のバスケ部には唯一無念の理念がありましたそれは、

勝つことが全て」



私はバニラシェイクを飲みながら黒子くんの話を聞いた。



聞いたとこによると、勝つために必要だったのはチームワークなどではなく、
【キセキの世代】が圧倒的個人競技するだけのバスケットそれが最強だったという。





「・・・けど、もはやそこに【チーム】はなかった。
5人は肯定してたけどボクは何か大切なものが欠落してる気がしたんです」

「・・・でなんだよ?
オマエのバスケで【キセキの世代】倒しでもすんのかよ?」


「そう思ってたんですけど・・・」

「マジかよ」

『いいねそれ』


「それよりボクはこの学校でキミと加奈さんとカントクの言葉にシビれた


今、ボクが一番にやる理由はキミとこのチームを日本一にしたいからです」


黒子は真っ直ぐ前を見つめて言った



「【したい】じゃねーよ、日本一にすんだよ!」


火神は席を立って言い放った。

『!』

いきなり火神がバーガーを投げてきた

「オマエの事も認めてやる」

『ありがとう』
私は少し嬉しくなった

「よかったですね加奈さん」




私もチームを日本一にするために頑張っちゃいましょーかね
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