HSKの妹様(仮)

□第8SK
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そして迎えた五回戦は、一日二試合もしなければならない
みんなの疲れもたまっていたせいかギリギリの試合だった。

途中伊月先輩が足をつったり、テっちゃんの精度も落ちたりしていたけれど、
何とか勝利をおさめることができた。インターハイ予選、誠凛高校は見事準決勝進出のコマを進めた。


けれど、勝負はこれからだ。
何せ準決勝は、去年決勝リーグで惨敗した西の王者正邦高校、
そして決勝では東の王者秀徳高校と一日二試合をこなさなければならないのだから。














翌日の昼休み自販機の帰り、廊下を歩いてると
段ボール箱を一人で抱えているリコ先輩を発見した。

『リコ先輩、その荷物どうしたんですか?』

「あーこれね、試合のDVDなの」


加奈は、『一つ持ちますよ』と言ってリコから一つ段ボール箱をとった。




「ありがとう助かるー・・・あ、そうだ。」

「え?」

「加奈の教室ってここからすぐよね」

『そうですけど・・・?』



ひらめいた!とばかりに笑顔になるリコを見て、加奈は首を傾げた。




立ち止まったのは1年B組の教室の前


「火神君!黒子君!ちょーどいいわー。ちょっと来て!」

『(うん。ドンマイ)』





「筋肉痛なんだ・・・ですけど、鬼か・・・!」

「ちょっとー乙女に荷物持たすの?そこはやっぱり頼むよおっとこ〜のこ!」

「乙女なんてドコにも・・・(ズドッ)いでっ!」


火神の一言が気に障ったようで、リコは火神に一発入れた。

普通ならそれ程痛くないはずの鉄槌だが二試合後の身体は酷使され続けた結果、通常より筋肉痛はハンパない。


リコは火神にムリヤリ渡していた。
加奈はそのまま持ち続けていたのだがいつのまにか黒子の手の中にあった。


『テっちゃん、その荷物・・・』

「ボクが持ちます」

『え、でも』

「大丈夫です。それに重い荷物を女性に運ばせるなんてできませんから」

黒子の紳士発言に、甘えることにした。


「つか これ何?ですか?」

『試合のDVDだって』

「部室から持ってきたの。スカウティングにね部室狭いからさ」




その後試合のDVDを多目的室に置き、各自解散になった。

私は教室に帰って急いでお昼を食べることになった。
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