真実をこの手に

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『考えてもわからないし、この部屋から出てみよう』

「ここにいても何もないですしね」


扉の前まで行き桜井くんがドアノブに手を掛けた。私たちは無言で頷きあいゆっくり扉を開ける

先に桜井くんが部屋の外を出て、私もそのあとに続いた

廊下に出ると長い等間隔に小さなランプが上に備え付けられていた。でもその光は微々たるもので、このランプがないと顔が見えにくい。








『く、暗いね』

「一応明かりはあるんですけどね」


暗い。暗い。暗い。

廊下に出てから落ち着かない
なんでこんなに息が苦しいんだろう


「贈島さんあそこ」

桜井くんが指を指した先には、微かに開いたドアがあった。
けして明るいとはいえないが電気も点いていた

「少し覗いて見ますか?」

『・・・うん、さっきは桜井くんが開けてくれたから私が開けるね』

「スイマセン!スイマセン!」

なんでこんなに謝るんだろう?
私何かしたとか?



ドアの前に立ちドアノブに手を掛けようとした瞬間、中から飛び出してきた何かにぶつかった。



『きゃあああああー』

「うわあああああー」


とびだしてきた何かを確認しようと急いで顔をあげると、見覚えのある人物だった。


『も、もしかして、黒子くん?』

「え!?」

「桜井くんと贈島さん?」

『覚えててくれたんだ』


大丈夫ですか?そう言って黒子くんは手を差し出してくれた
有難くその手をとってありがとうって言ったら、「これぐらいどうってことないです」とのこと。

黒子くんは紳士らしい



「とりあえず中に入って話しませんか?」





* * *




中に入ると黒子くんとは違った学ランを着た人が立っていた


「さっきの叫び声すげーびびったわー」


そう言ってケラケラ笑う黒髪でセンターわけの彼



「笑いごとじゃないです高尾くんすごくびっくりしたんですから」

「あの顔でびっくりしてたのかよ」

また高尾くん?という人は笑い出した


状況についていけずポカーンとなっている
私に気づいたのか高尾くん?が私に近づいた


「初めまして!高尾和成でっすよろしくー」

『私は贈島ユキですこちらこそよろしく』


自己紹介も終わったので私たちは本題に入ることにした

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