小説T

□ブルーアンバー
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E組の授業が終わり、日誌を提出するため僕は教員室にいた。
そこには防衛省への報告を書いていた烏間先生だけがいた。
他の先生達はそれぞれ用事で出かけていたようだ。

「渚君、何か用事か?」
「はい、日誌を届けに来ました」

日誌を殺せんせーの机に置いた僕は、こちらを見ている視線に気付いた。
烏間先生が誰かと話す時は相手をまっすぐ見てるのはいつもの事。
最近は何故かよく烏間先生と目が合う気がする。
でもその視線が僕には心地良くて、見つめてくる黒い目はとても綺麗だ。

「…俺の顔に何かついてるか?」
「えっ!あの、そんな訳では…」

しまった。
自分でも気付かないうちに烏間先生の事を見つめていた。
同性から貴方の目に見入ってましたと馬鹿正直に言われても気味悪く思うだけだろう。

「そんなに見つめてきて、何もないって訳ではないだろ?」
「ごめんなさい」

偶然ですよとか言っておいてこれ以上詮索させたくなかった。
だけど烏間先生は変わらず僕をまっすぐ見つめてくる。
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