LIGHT JOKER

□LIGHT JOKER〜朝のひととき〜
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「………ぐぅ」
沖津修はまだベッドに寝転がっている。まあ、今日は日曜で今は朝の七時だ。別に寝ていてもいいはずの時間である。
そこに、家がお隣の幼なじみ、中本香織がズバーンとドアを開けて入ってきた。
「修兄ぃーっ!!起きてーっ!!」
香織は勢いよくジャンプすると膝から修のみぞおち辺りに突っ込んだ。
「ぐっほぅ」
苦しがる修。当然である。
「香織かぁ…俺死ぬぞ…」
「さっさと起きてよ修兄。今日は圭兄と笑華と空ちゃんとあたしでドライブ行くっつってたじゃんか」
そう言いながらベッドから降りる香織。
空ちゃんというのは、修と圭の年の離れた妹で、その優れた学力により六歳で笑華や満人などと同じ高校二年まで飛び級した天才少女である。ちなみに空にも圭と同じように妙な能力を持つ。読心、催眠はもとより、猫に変身する能力や地面の形を自由に操る能力を所有している。地形変化の方は危険すぎる故に圭から使わないよう厳しく言われているらしい。なお、空が猫に変身できるのを知っているのは修と圭だけである。猫アレルギーの修には非常に辛い能力だ。
むくりと修が起き上がり、窓から外を見る。
「…いい天気だな」
「そうだね」
「ああ。こんな日はとても…」
次の瞬間、修が放った言葉は。

「パンツが見たい」

だった。



固まる香織。清々しい顔をする修。やがて修が口を開く。
「いや、ダメもとでも一応言ってみることでだな、献身的な幼なじみがパンツを見せて…」
修は香織を見る。香織には表情がない。
「…くれないのか?」
「くれないよ」
「………。…吸っても?」
「駄目。私煙草嫌い」
修は俯いて笑いだした。
「ふ…ふふ、今時ただの幼なじみ如きでチヤホヤはされないんだぞ」
「何言ってんすかアンタ」
「それだとオタクであるお前の彼氏の心は掴めんということだっ!」
「…ふむ…じゃ私にはまだ何か+αが必要ってこと?」
修は顎に手を当て考えるポーズをする。
「ふむ…そうだな…幼なじみ…プラス…

…パンツ」

「アンタもうただのセクハラだよそれ」
修は涼しい顔をしている。それが何か?と顔で言っている。
それを見た香織は顔をわずかに赤くし、
「そ、そんなにパンツが見たいの…?」
と問う。
「是が非でも」
修、即答。
そこに、一つ小さな人影が部屋に入って来た。
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