裏・俺の戯言

□裏LIGHT JOKER〜人生ヤクやりゃ苦もあるさ〜
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亞花里、帰宅。今日も数学は眠かったという感想だけを胸に秘め、自宅の戸を開ける。
「ただいマッチョ〜」
二階の自室に上がって鞄を勉強机の上に放り投げ、制服を脱ぎ始める。下着姿のままどの私服にするか悩んでいると、笑華の自室から物音と悲鳴が。
ガラガラガシャン。
「うひゃぁあうっ!!」
亞花里はため息をついた。
「またか……調合に失敗して爆発でもしたのかしら」
腰に手を当て、嘆息しながら笑華の自室のドアを開けた。
「今度は何失敗したの?」
「あ、亞花里!?何下着でうろついてるんでしゅかっ!ただいまくらい言いなさい!」
「言ったし。いいじゃん家なんだしさ。つーか……どなた?」
そこにいたのは、小学校中学年くらいの女の子だった。どうやら、笑華のようだ。



亞花里は私服に着替え、笑華はとってあった昔の服を着てリビングのテーブルを挟み向かい合っていた。亞花里は右ひじをついてだらけた格好だ。
「ふーん……胸がデカくなる薬を作って飲んだら小さくなった、と」
「ど、どこで失敗したんでしょう……」
「知らんわよ。てかね、あんたが胸がデカくなる薬作って成功したためし、オレが知る限りないわよ」
「成功してたら悩んでません!」
「いーじゃんさー、圭は別に胸に興味ないみたいだし」
「それは……そうでしゅが……」
亞花里は体勢を変えて笑華をじっくりと見てみた。確かに笑華だ。若返っただけに見えるが、少し他にも変化があるようである。
「な、何でしゅか」
「いや、ちっさい笑華可愛いなーって思って。外見もだけど、その舌っ足らずな口調とか」
「はぁ……」
喜んでいいのか判らないようだ。
と、他の変化を確かめるために笑華の後ろに回った。
「え?何?」
「ちょっと失礼」
言うやいなや、亞花里は後ろから笑華の脇の下から腕を通し、胸を鷲掴み。
「ぁんっ!ふ……ぁ」
もみもみ。
「ん……ふぅ……っ」
もみもみもみもみ。
「んあぁっ……ぁん」
ぎゅっ。
「んふぅっ……!」
解放。
「ん……っ。な、いきなり何を……」
亞花里は手を顎に当てて少し考え込んでいる。
「亞花里……?」
「笑華。成功よ」
「へ?」
「前より胸、大きくなってる」
「え!?」
「ま、見た目の年相応って感じだけど。全く何もなかった前よりマシじゃない?」
「いや、あのそれは嬉しいといえば嬉しいのでしゅが……えと」
「うん、いつもみたいに『うひゃあうっ』って悲鳴も上げずにちょっとえっちな声出してたし」
「へ……」
「感じてたの?」
「えぇ!?いえ、あのそれはフォレシュトさん的にはオッケーなんでしゅか!?」
「フォレストくらいちゃんと言いなさい。許可はオレが出すわ」
「いや、貴女が許したところで……。えっと……ちょっとは、あの、はい……」
「濡れてる?」
「少し……じゃなくてっ!!こんなのふしだらでしゅっ!裏だからって言ったりやったりしていいことと悪いことがありましゅ!」
「小さくなっても濡れるんだ……」
「そっちの話題に持っていくなー!」
「ちょっと見して。糸引いてるかな?」
「はー!?触んなー!!」
笑華はバタバタ暴れるが、亞花里に軽々押さえ込まれてしまう。
「前からだけど、前よりもっと力弱いわねー。腕も足もほっそいし」
「きゃー!!汚されるー!!」
「何かキャラ変わってない?」
笑華は床に押し倒され、手は頭の上。亞花里は笑華の両手首をまとめて左手で押さえ、右手は、ああ、ヤバい。
ここで笑華が目をカッと見開く。
「貴明君!!」
「ち、『闇』!?」
笑華の中から滑り出した「闇」が、河野貴明という形をとる。
「……」
「……」
『……』
そこな現れたのは、今の笑華と同じくらいの年の少年だった。
「「『闇』もちっせぇー!!」」
『亞花里殿。悪く思うな』
「ちっちゃくてもそれ以外変わんねー!!」
『闇』は笑華の無言の命令を遂行する。
「ぎゃー!!そして強ぇー!!」



フルボッコにされ「闇」で拘束されている亞花里。涙を垂れ流している。
「さて、どうやったら元に戻れるんでしょうかね」
「ま───」
「貴女は黙っていなさい」
「…………」
一文字しか喋らせてもらえない亞花里。
「まったく、ギリギリアウトな発言ばかりして。黒いオールが閉鎖されたらどうしゅるんでしゅか」
「…………」
「許可しましゅ」
「い、いーじゃん別に。塵未満が嘆こうがオレらに何も関係ないし」
「それはいいでしゅけど、」
ひどい……。
「閉鎖されちゃうとLJもUJもHUJも消えてしまいましゅ。私たちの活躍が全部なかったことになるんでしゅよ?」
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