裏・俺の戯言

□裏LIGHT JOKER〜LIGHT JOKER FIGHT〜
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「見て見てー!」
朱雀が何やらカードの束を教室に持ち込んだ。
「何だそれ?」
満人が食いつく。
「新しいカードゲームよ!ウチらがカードになったわ!」
「マジか!やるしかないな!!」
「ほら、アンタらも」
「え、私達もですか?」
「スターターのデッキはたくさん用意してあるから、皆でトーナメントよ!大丈夫、ウチもルール知らないから!」



集まったのは八人。笑華、愛佳、朱雀、空、満人、勇気、次郎、良介と、二年B組の面々である。
「やったぜ、ベストエイトだ!」
「…………」



プレイヤーのライフは三十。場にキャラクターを召喚し攻撃することによって、相手のそれをゼロにすれば勝ち。デッキ枚数は百枚固定で、これがゼロになっても負けの扱いとなる。多めだが、これは何をするにも山札の破棄が必要なシステムによるものだ。カードの種類も多数用意されている。また、一ターンに召喚できるキャラは特殊召喚を除き一体。一ターンに発動できるイベントカードは二枚までとなっている。



一回戦第一試合
沖津空VS師堂勇気
山札を置き、七枚引いて手札とする。先攻は空。山札から一枚引く。
空は少し迷って、いきなりイベントカードを発動した。
「『風の旋律』発動です」
空は山札を四枚破棄する。
「これにより、手札から攻撃力三以下の風属性のキャラクターを山札の破棄なしで召喚できます。『七布施 斬馬』を召喚」
場に斬馬のカードが出てきた。
「次に、『チームの絆』を発動。山札を十枚破棄して、デッキか墓地から『速霧 海』、『境目 刃場』、『天上 刀子』を特殊召喚。『速霧 海』の特殊能力で、直接攻撃です」
勇気 残りLP27
キャラは特殊な能力がない限りは登場したターンは攻撃できない仕様である。特殊能力の発動は可。
どんどん山札を消費する速攻型の空。頭がよく回るので早いゲーム展開が得意なのだ。
「どうぞ」
「ん」
勇気が山札から一枚引いた。
「うーん……『小檜山 七星』、召喚」
攻撃と防御がゼロの代わりに山札の破棄なしで召喚できる使い捨ての盾のようなキャラだ。
「特殊能力『未来視』発動」
勇気は山札を三枚破棄する。
「これで相手の手札を見て、次のターンに相手が使うカードを指定することができるよ」
強力な能力だ。空は手札を差し出す。
「ん〜……じゃあこれ」
勇気が選んだのはイベントカード「貸し切りプール」。これは発動すれば手札から攻撃力四以下の水属性のキャラを山札破棄なしで召喚できるものだ。手札に水属性のキャラがいない空には無用の長物というわけだ。
「次は、七星進化。『黒七星』召喚」
勇気は七星のカードを墓地に送り、山札を五枚破棄して黒七星を召喚。キャラのいくつかは進化することができるものもあるのだ。
「イベント、『死者の歪み』発動。八枚破棄して、山札から『ブラッカイム・フォルスブルーム・ゲルトース・ル・バーミリアン・ガイランディール・クロスフォード』を特殊召喚。同時に、特殊能力『死神の鎌』で相手キャラを一体破棄。『七布施 斬馬』を破棄するよ」
斬馬のカード、墓地送り。アイター。
「いいよ」
「はい」
空が山札から一枚ドロー。次に七星の「未来視」によって、「貸し切りプール」を強制発動させられる。
「山札を四枚破棄。では、手札から『龍周 莉子』を特殊召喚ですね」
「え!?」
ターンの始めに引いたカードが偶然水属性のキャラだったのだ。空にとっては嬉しい偶然だが、莉子のカードはそのまま出しても山札四枚破棄。あまり意味はない。
かと思われたが、特殊召喚はカウントされないため、まだこのターンの召喚枠が余っている。さらに、刃場と海と刀子で一斉攻撃のチャンスだ。黒七星とクロスフォードが場に出ているが、それでも一人分の攻撃は通る。
「八枚破棄、『沖津 圭』を召喚。さらに六枚破棄、特殊能力『見極め』を発動。これでこのターン、こちらの攻撃は防御されません」
このターンに攻撃できるのは海と刃場と刀子のみ。タイミングを間違えたかと勇気が考えていると、空がとんでもないことを言い出した。
「十一枚破棄、イベント『状況把握』を発動。このターン中に登場したキャラクターでも攻撃が可能です」
「っ!」
圭 攻撃力八
刃場 攻撃力二
海 攻撃力三
刀子 攻撃力一
莉子 攻撃力一
合計値は十五。
「一斉攻撃」
勇気 残りLP12
大幅にライフを削られ、ピンチに陥る勇気。山札の捨て惜しみをしない空の速攻戦法に、スタートダッシュで出遅れた。
「く……」
「どうぞ?」
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