裏・俺の戯言

□裏LIGHT JOKER〜BATTLE of LIGHT JOKER〜
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「やっほー」
朱雀が沖津家に遊びに来た。
「お前かぁ」
「ご挨拶ね」
修しかいない。何か知らんが裁縫をしている。ボタンの付け直しやあいた穴を塞いだりしているのだ。
「あいつらは?」
「オタク野郎ん家に遊びに行ったよ。んーと、古賀っつったか」
「ああ。小龍も?」
「まーな。暇死しそうだったからコレをしてんだよ」
「ふーん。死因が暇死って笑えないわね。じゃ、ウチも行くわ。あんたも来れば?」
「?」
「おもろいモンあるから」



というわけで、二人で古賀家に来た朱雀と修。呼び鈴を鳴らし、中に入る。
「いらっしゃい、南さんと……えっと……?」
「沖津修だ。圭と空の兄貴だよ」
「それはどうも。初めまして、古賀信夫です」
「ああいやこちらこそ。いっつも空が世話になってんな」
「え?あ、はぁ」
「あがらせてもらうわ。部屋にあいつらいんのよね?」
「はい。どうぞ」
信夫は一緒に遊ばないらしい。まぁ、あの妙なテンションの満人についていくのは病弱な信夫には難しいので賢明だと言えるだろう。
満人の部屋の戸を開けると、そこには満人以外に圭、空、小龍、笑華、亞花里、香織、そして何故かマジェスティと健と鈴もいた。
「うっわ、狭っ」
「はぁ?何でお前ら来たんだよ今のままでもめっさ狭いのによ」
「ふふ、見なさい!」
朱雀が持参した鞄から一つのゲームソフトを取り出した。
「ウチらが格闘ゲームになったわ!その名も『BATTLE of LIGHT JOKER』!」
「マジか、やるしかないな!」
即満人が食いつく。
「えーっと、一、二、三……十二人かぁ。トーナメントしにくいわね。リーグ戦やりましょう」
「そりゃいいな!」
素早くゲームソフトを入れ替えゲームを起動。
まずは笑華VS亞花里だ。
「じゃオレはオレ使おー」
「では私も私を……あら?」
笑華は何故か二キャラいる。
「えっと、『中本 笑華』と、『中本 笑華(霊眼・魔眼)』……ですか。後者はチート臭いですね、通常のにしましょう」
通常笑華もコマンド入力で眼の発動は可能だが、霊眼魔眼笑華は眼に乗っ取られている状態の笑華を使うことになる。HP自然回復、スーパーアーマー、反則級の攻撃力と防御力とスピード、当たれば瀕死のコマンド技。確かにチート臭いが、代わりにジャンプやガードができなかったり、時折苦しみだして大きな隙ができたりする。
『バトルスタートだ!』
「ありゃ、父さんの声ね」
「ほんとですね……」
大体のコマンドは普通の格闘ゲームと同様だ。二人ともよく満人の家や青空の集会場でゲームはするので少しは慣れている。
「よーし、行くわよ笑華!」
「望むところです!」
通常攻撃でコンボを繋げたりして、それなりな接戦。
「そりゃっ」
『"武芸十八般"!』
「おぉ、何か出た!」
「く!」
『"闇との契約(コントラクト)"!』
「あ、私もです」
『"山嵐"!』
『"闇討ち"!』
いちいち技名を叫ぶ意味が判らないが、その辺突っ込んだら負けだ。
そして亞花里は少し複雑なコマンドを入力した。すると画面内の亞花里が笑華に素早く近寄り蹴り上げをくらわせる。
その瞬間、エフェクトがかかって背景が真っ暗になり二人はアップに。時間は停止する。
『見切ったっ!』
「お、これ超必殺技みたいな感じ?」
「えー、もうライフないですよ」
『本当の体術っての、見せてやるわ!』
蹴り上げで浮いた笑華をさらに蹴りで追撃し、頂点でまた蹴って地面に叩きつける。亞花里は着地、地面でバウンドした笑華に渾身の掌ていをたたき込む。
『"龍脚虎掌連激破"!!』
笑華は大きく吹っ飛ぶ。最後の一撃が当たった瞬間、背景や時間は元に戻った。
『きゃあああぁぁぁ!!』
笑華のライフがゼロに。吹っ飛んだせいで二年B組の教室の壁が砕け散ってしまった。
『まだまだね。出直してきなさい』
「勝ったー!」
「負けました……」
キャラの特性的に笑華が亞花里に弱いのもあるが、元々ゲームの腕も亞花里の方が上なのだ。
亞花里はガチでマジな接近戦キャラ。とにかく近づき驚異的な手数で圧倒する。対する笑華は上級者向けで、接近戦の攻撃力はかなり低い。遠距離では「闇」を使うので無駄に攻撃力は高いが、発生が遅く隙が大きい。移動速度も遅いので、ちょこまか動き回る亞花里にはことごとく避けられてしまうのである。
「次は?」
「俺やらせてくれ」
「じゃ、俺だ」
圭VS修。修の負けはほぼ決定だろう。圭は練習相手に修を選んだのだ。暗黙のうちに自分縛りというルールがついたので圭は圭を、修は修を選択。
『バトルスタートだ!』
『"炎刀"!』
『"炎槌"!』
『"火の鳥(ファイアバード)"!』
『"不死鳥(フェニックス)"!』
コマンド技を連発する圭。
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