続々・LIGHT JOKER

□LIGHT JOKER〜蠢く影〜
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イェーイ!!
何や何やテンション低いなぁ、え?何でも楽しまんと損やぞお前らー!
ああ、俺は西虎太郎や。朱雀とかちっさい龍は羨ましいわホンマ出番もらいすぎやっちゅーねん。
ほな、五十六気絶目、いてこましたれやー!



「役に立たん」
LJ学園の生徒会室で生徒会長の師堂将士は机に突っ伏しながら呟いた。
「何がっスかー」
答えたのはくじ引きで偶然選ばれた可哀想な生徒会役員、古賀満人だ。
「お前がだ」
「選抜をくじ引きにしたのが間違いなんスよ会長」
「お前はファン○シースターのミャ○ぐらい役に立たん」
「かなり役立ってるじゃないスか」
「ドラ○エZのオルフィー攻略時のきこりぐらい役に立たん」
「魔封じの洞窟においてはやくそうを無限に持ってるあのきこりはある意味一番役に立ちますよ」
「うたわれ○もののエル○ゥぐらい役に立たん」
「何かもう誉められてる気しかしませんけど。あんた散りゆく者への子守歌プレイしたんスか」
「まあな。勇気がお前に借りたのを勝手にパチってやってた」
「じゃあ○ルルゥの重要さは判ってんじゃないスか?」
「じゃあ、ア○ルゥだ」
「水場以外めっちゃ強いスよ」
「強いのはムッ○ルなんだ。アルル○は弱い」
「はいはい……そういうのを、揚げ足を取るとか重箱の隅をつつくとか詭弁とか屁理屈とかって言うんですよ」
何も知らない一般人は、まったりと日常を過ごしていた。
「役に立たないってのは、ファ○タシースターならパセオの総督、ド○クエZならメル○ンとア○ラ合流後のマリベ○、うた○れだったら浪川です。○ナウィは必要です。浪川だけいらないんです」
「ふーん」
放課後、だべる生徒会。約二名。あとは帰宅済み。



「ぎゃあああぁぁ!!」
『チィッ、うっせーんだよ朝から何だ!』
愛佳は目覚めてから朱雀の姿がないことに気付いた。まだ帰っていないと思って朝食は一人で食べようとリビングに行ったところ、草薙と風月が置いてあったので朱雀の自室(として愛佳が貸しているだけだが)に行ってみたら仰天だ。
両手両足はなく、体の所々に穴が空いて、顔の半分に血管が浮き出てドクドク脈打たせている朱雀が寝ていたのだ。
「だ、え、だって、いや何なのコレ!?説明してよリヴァン!」
『チッ、戦ってきたんだよコイツぁよ』
「どこの大怪獣と戦えばこんなんなるのよ!」
『チッ……自分、だろ』
「……?…………??」
血は既に草薙と風月の手によって無理矢理飲ませてあるし、あとは回復を待つのみなのだが、しばらくは動けそうもない。戦闘などもってのほかだ。
『チッ、まぁ危なかったが、別に今何かしなきゃ死ぬってことァねェよ』
「そ、そう……?こんな滅茶苦茶なのに?アンタが言うんならそうなんだろうけど……って」
『…………』
「何で知ってんの?」
『チッ……』
「アンタ戦闘見に行ったのね!?またアンタは勝手に出歩いて!アホ!」
『チッ、貧しい語彙だな。アホとは』
「うっさーい!」
とにかく、今はそっとしておくのが得策だろう。何も話してくれないなら目を覚ますまで待って朱雀に直接訊けばいい。



取りあえず登校した愛佳は、朱雀が欠席することを担任に伝えた。理由は風邪ということにしておいたが、そんなのが嘘だということは笑華と空は判っている。何せ、朱雀の正体が吸血鬼だということを知っているのだから。
それにしても、朱雀が欠席などよほどの事が起きているということだ。笑華と空は追求こそしなかったものの何か悪いことが起きる前兆として解釈し、アイコンタクトで注意を促し合った。



科奈理は占いをしに街へ出かける途中、一体のヌエに遭遇した。
「相変わらずデカいわね……リューガ」
乃亜の霊獣だ。何かあったのだろうか。
『グルルル……』
「……本当に……!?乃亜ちゃんはどこ?」
『グルルァ』
リューガが歩きだした。ついてこいという意味だろう。
「一体何が……」
素直についていった科奈理は、路地裏に入るときに違和感を感じた。
(これは……人払いの結界?)
リューガが立ち止まった足下に、乃亜が仰向けになって死んでいた。
「………………」
科奈理は思う。乃亜は優秀な霊獣使いだ。その乃亜を殺すなどよっぽど強い力を持っているはず。それに自分が気付かないわけがないと。
「ありがとう、リューガ。取りあえず乃亜ちゃんの右目に入ってなさい」
言われた通り、リューガは乃亜の無傷の右目に入っていった。
(さて……)
現場検証開始だ。科奈理はすぐに乃亜の右手の側に落ちている携帯に気付き、拾って開いてみた。不在着信が二十件以上入っている。
(……亞花里ばっかり。あの子やっと携帯買ったのね)
流し見していたところ、一件だけ別の番号からかかってきていた。登録名は「兄さん」だ。
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