続・LIGHT JOKER

□LIGHT JOKER〜闘いの狼煙〜
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僕は、園崎まゆげ。園崎家で飼われているペットの犬なんだ。雑種さ。空やらぁと仲がいいんだけど、本編にはまだ出してもらってないね。残念。
じゃあ、三十二気絶目、スタート!



そして、心の底から楽しそうな表情で言った。
「久しぶりだなァ、誰かを思いっきりぶっ殺せる状況ってのァよ!!」



香織によると、圭は女を連れて歩いていたらしい。黒髪で、髪型はいわゆるツインテール。赤い光を放つツリ目で、八重歯が長かったとのことだ。黒髪は光に当たると僅かに赤みを帯びて見えるらしい。圭に向かって激怒しながらも、よくそこまで細かく見ていたものだ。
「まず、南朱雀に間違いないわね」
「ええ」
笑華と亞花里は笑華の自室で話している。圭を取り戻すだけではなく、本格的に「血に浸る騎士団」と対立するにあたって、策を練っているのだ。目的は判らないが襲われるのは時間の問題だし、圭を取り戻して逃げを打つのも恐らく不可能だろう。「しるし」とやらもどうなるか判らない。
「戦力は?」
「十分かどうかは判りません。何せ、相手が未知数ですから」
戦えるのは空、笑華、亞花里、科奈理、クサンチッペあたりだ。
「霊能オタクは戦力に数えていいのかしらね……」
彼の力は回復だ。戦闘には参加できそうにない。霊能力があるといっても、科奈理のような戦闘向きのものではないし、傷ついたときの治療要員としての意味合いが強い。
「『輪』には何も?」
「今回彼らは無関係ですし……自分達の仕事も忙しいでしょうからね」
「タックには協力してもらったけどね、情報収集に関して」
「……」
そんな話をしていると、下から香織の声が聞こえた。
「ちょ、ちょっと!何よあんた!人ん家勝手に上がり込んで何しようって……警察呼ぶわよ!」
誰かが家に入ってきたらしい。ドカドカと豪快な足音をたてて階段を上る音が聞こえる。
科奈理は家にいるはずなので、彼女が手を出さないのなら特に害のある人間ではないのだろう。少なくとも、科奈理にとっては。
そして足音は笑華の部屋の前で止まった。
「ちょっとあんた!何なのよ!お婆ちゃーん!何とかして!」
香織が叫んでいる。
ドアが勢いよく開かれた。
「オイ、こいつ黙らせてくれ」
そこにいたのは、「輪」の幹部の一人である餓目鬼華斬だった。



「タックにある程度の事情は聞いた。『血に浸る騎士団』なら俺も聞いたことあるぜ。俺らみたいな異能者がやたらといるんだから、吸血鬼ってのもいてもおかしくはないと思ってたが、まさか実際にお目にかかる機会を貰えるとはなァ」
「いえ……あの……」
「何で来たわけ?」
笑華の自室には華斬を加えた三人がいた。香織はリビングに追い返してある。
「吸血鬼サマってモンに一度会ってみたかったんだよ。サークとパエリアとラングサンは俺がいなくても任務くらい遂行できるだろうしな。最近はよォ、チマい任務ばっかで面白くねェんだよ。派手に暴れたくてな」
「…………」
「いーんじゃないの?」
確かに華斬は非常に大きな戦力になる。それに彼はまだクサンチッペの「超回復」で蘇生していないし、万が一死んでしまっても治せる。
「まァ、てめェらが来んなっつっても一人で行くけどな」
「判りました……頼りにしてますよ、華斬君」
「……任せろ……」
華斬が浮かべていたのは、獣のような獰猛な笑みだった。どうやら、相当たまっているらしい。



『……というわけだ』
「へー、『輪』が動くとは思ってなかったわ」
「まぁ正確には動いたのはガメちぃだけみたいだけどにゃ。今頃『輪』は思わぬハプニングに混乱状態間違いにゃしだにゃ、うかかかか」
夕と愛佳と「闇」も、「血に浸る騎士団」を本格的に攻める準備を始める。夕は空が気を失っていないと現れられないし、「闇」は笑華についていなければならない。新米吸血鬼の愛佳がどれだけ対抗できるか判らないが、実質は愛佳だけで行う作戦になりそうだ。
「しかし、アジトの場所が判んないとどうしようもないわよね……」
『問題ない』
「は?」
『タック殿がハッキングで彼奴らのパソコンを覗き見たらしい。次の行動は明後日、我が主を狙うようだ』
「くけけけけ!たっくんもやるにゃー!自分の仕事ほっぽりだして他に協力するとは猫まっしぐらの直線ロードを直滑降〜!」
「はいはい……で、場所は?」
『我が主の行動パターンから、一番人が少ないところにいる時、来る』
「だからどこよそれ」
『通学路だ』
「何言ってんのよ」
『下校時、我が主は近道のために裏を通る。部活動で帰りも遅くなる故、そこを通るときの人通りは皆無だ。少なくとも我が彼奴らなら、それを狙う』
「にゃるほど、帰るときにエミチーを見かけにゃいのは近道通ってたからにゃのかー」
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