続・LIGHT JOKER

□LIGHT JOKER〜大切な人〜A
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よう。俺の名前は加持リョウジ。何で沖津修の野郎がこんなに出てるのに俺は本編登場皆無なんだ。そこんとこ、作者になんとかしてもらいたいな。
そんじゃ、三十三気絶目。Here we go!



「燃え尽きたぜ……」
「弱っ!華斬弱っ!!」
華斬が玄地の攻撃に倒れた。単なるパンチだが、確かに生身の人間には辛いかも知れない。
「何だあいつ……威勢ばっかりで」
「玄地!」
「ぐっ!?」
玄地が言い切る前に真空波が飛来し、玄地の右腕の肘から先を切り落とした。
「っく、油断した!」
「馬っ鹿ヤロー……俺があの程度のパンチで倒れるわきゃねェだろが……」
「私も忘れてもらっちゃ困るわ」
科奈理が念炎符を投げ飛ばす。
「火ィ〜!!」
吸血鬼は火に弱いのだ。
こんな感じで虎太郎・玄地組対亞花里・科奈理・華斬組の闘いは亞花里たちが優勢だ。ただ、吸血鬼二人はまだ切り札を残している。今は遊んでいるといっていいだろう。

一方で、笑華・愛佳・空は、圭・朱雀と対峙していた。龍は離れたところで二つの闘いを見物している。
「クサンチッペはまだ来ないのね」
「まだ無傷ですからいりませんよ」
「それも酷い言いぐさですね……」
朱雀は攻撃してくる様子はない。圭に任せるようだ。
「二人とも、朱雀さんを止めていて下さい。私が圭君を」
「はあ?……何を」
「いいから。手出しは無用ですからね」
言って、笑華は歩き出す。
(貴明君)
(何だ)
(カレーを食べてから二十四時間が経過しています。明日だと思ってましたからね……)
(それで)
(圭君の炎に対して防御は間に合いません。とにかく私の指示に従って下さい)
(理解した)
(まず、全身の触覚を遮断)
言ってから、笑華は少し後悔した。感覚が全くないため、歩きにくいことこの上ない。だが、前に進み続けるために痛みを消すのは大事なことだ。
「来るんじゃねェ」
圭が炎の弾丸をとばした。笑華の右脇腹を貫通する。
(止血を)
(御意)
血を止めた。傷の痛みはない。
「何してんのよ笑華の彼氏ィ!」
愛佳が髪の槍を圭に向かって伸ばす。
「愛佳!」
笑華が叫んで愛佳の槍を遮るように手を伸ばした。
「あっ!」
止めるのが間に合わなかった髪の槍は、笑華の左手の人差し指と中指を付け根から切り落とした。
「手出しは無用と、言ったはずです……」
「笑華……」
再び前に進み始める。と、何やら視界の端が明るい。見てみれば、左手が燃えている。圭の炎だろう。
「ちぎって」
『何だと』
「左腕、ちぎって下さい。他に燃え移る前に、早く」
『……御意』
「止血を忘れずに」
骨が折れるバキンという音と、肉がちぎれるブチンという音が合わさって聞こえ、笑華の左腕は地面に落ちた。出血が多い箇所だからか、止血をしきれておらず、少しずつ血が垂れている。
「圭君……圭君……」
「来るな!」
今度は炎の刃が笑華の頬をかすめる。
笑華はまだ前進をやめない。
右足を踏み出すと、ガクンと視界がずれて転んでしまった。右足を見てみる。
「……」
変な向きに曲がっている。時空転移で骨をずらすか折るかしたのだろう。
しかし笑華はそんなこと意に介さず、再び立ち上がって右足を引きずりながら進む。右の靴は脱げてしまった。
「貴明君。上です」
『…………』
圭が時空転移で大質量のものを持ってくるのを読んでいた笑華は、「闇」に先に指示を出しておく。
案の定、大岩が上からふってきた。しかしこれは「闇」によって粉々に砕かれる。
いつの間にか周りは火の海と化していた。燃え盛る炎の中をただ突き進む笑華。
「圭、君……圭、君……!」

「来るな……来るなァァァアア!!」
圭は炎を使って笑華を退けようとするが、どうにもうまくいかない。
「もぉ、ようやく『しるし』が定着しきって圭がウチだけのものになったのに……また取り返されちゃかなわないわ」
朱雀が笑華を邪魔しに入ろうとする。
「させません」
「私たち忘れないでよね」
空と愛佳が立ちふさがった。
「……ウザ」
空と愛佳が能力で朱雀を集中攻撃する。
そして空の土の槍が朱雀に突き刺さるその瞬間。
「うっ」
「空ちゃん!」
龍が動いた。高速で接近し空の首を手刀でうつ。空は気絶、土の槍は静止した。
「まずは一人……安心しろ。殺してはいない。意識は二度と戻らないだろうがな」
空が猫に変身した。気を失っているときは猫化してしまうのだ。
と、龍の肩に後ろから伸びた土の槍が刺さった。
「……誰だ」
「くかかか、よくぞ空っちをしとめてくれた!礼を言うぞクソボケナスきゅーけつき!我が輩、参っ、上!!」
「夕!?」
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